コンタクトセンターがチャットサポートを導入するメリットとは
ユーザーの質問や問い合わせに的確に対応するため、コンタクトセンターの役割は重要です。そこで注目を集めているのがチャットサポートですが、それにはどんなメリットがあるのでしょうか。
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チャットサポートとは?
コンタクトセンターといえば多くの人が連想するのは、電話を掛けるとオペレーターが問い合わせに答えてくれるいわゆる「コールセンター」でしょう。また、Webサイト上にメールフォームを設置し、メールで問い合わせに答えるというスタイルも多くみられます。一方で、画面上でチャットにより問い合わせができる仕組みを採用しているところも少なくありません。「チャットでのお問い合わせはこちら」といったボタンを押すとチャットが立ち上がり、オペレーターとチャットでやり取りできる仕組みを見たことがあるという人も多いのではないでしょうか。
このように、チャットを利用してユーザーとオペレーターがやり取りする仕組みのことを「チャットサポート」といいます。チャットの場合は電話と違って「目に見える」という特徴があり、これを活かして単に問い合わせと回答のやり取りをするだけではなく、画面上にユーザーに役立つ情報を表示することも可能です。これもまた広い意味での「コールセンター」に含まれるサービスです。
チャットボットがコールセンターで採用される理由
チャットサポートではユーザーとオペレーターがチャットでやり取りをする、と紹介しましたが、実は必ずしも人が対応するものばかりではなく、システムが自動で対応する「チャットボット」というものもあります。iPhoneの「Siri」やWindowsの「Cortana」など、様々な質問に答えてくれる便利なツールを愛用している人も少なくないでしょう。これらもチャットボットの一種です。コールセンターに導入されているチャットボットの場合は、質問を入力して答えを得る一問一答式や、表示される選択肢を次々に選んでいって回答へと近づくシナリオ形式が主流となっています。
こうしたチャットボットがコールセンターで採用される主な理由としては、オペレーター不足を補うためと、ユーザー満足度の向上が挙げられます。ユーザーが寄せる質問の中には、例えば料金体系に関するものなど定型的なものもありますが、こうしたものは必ずしも人が対応する必要はなく、自動化することが可能です。これをチャットボットに置き換えることで、オペレーターの負担が減り、人員も少なくて済むようになるのです。また、チャットボットであれば24時間対応も容易になり、ユーザーはいつでも聞きたいときに質問ができるので、ユーザーの利便性も向上します。
チャットサポートの種類
チャットサポートにはいくつかの種類があります。ここでは4種類のシステムを紹介します。
有人チャットシステム
ユーザーとオペレーターがチャットを通して対話をするのが「有人チャットシステム」です。いわばコールセンターの電話をそのままチャットに置き換えたようなものといえるでしょう。ボットの場合は欲しい答えにうまくたどり着けるようユーザー側も質問に工夫が要ることがありますが、有人チャットでは人が対応するため、ユーザーの意図を汲み取ったきめ細やかな対応が可能となります。チャットへのアクセスボタンを画面上に表示しておけば、ユーザーが疑問を持ったときすぐに質問できるのも便利です。
シナリオ型チャットボット
シナリオ型チャットボットは、画面上に選択肢を表示し、ユーザーの選んだものに対応する回答を表示するというシステムです。例えば最初の画面に「料金について」「機能について」等いくつかの選択肢を表示しておき、ユーザーがどれかを選ぶとさらに次の質問、次の質問と続いていき、最終的に知りたいことがわかるという仕組みです。ロールプレイングゲームのように選ぶ選択肢によってシナリオが変わり、違う結末にたどり着くことから「シナリオ型」と呼ばれています。FAQで解決できるレベルの簡単な質問に答えるのに向いており、ユーザーにとっては自分でFAQから回答を探し出すよりははるかに簡単です。
AI搭載型チャットボット
シナリオ型では対応できないような複雑な質問にも対応できるのがAI搭載型チャットボットです。シナリオ型は選択肢を選んでいくだけという定型的な処理にとどまりますが、AIには文章を解析させることができるため、ユーザーは人に質問するのと同じように自然な言語で質問文を入力することができます。AIは質問を受けるとそれを解釈し、あらかじめ学習したデータの中から最も適していると思われるものを選んで回答します。さらに数を多くこなしていくうちにAIが学習し、回答の精度を上げていくことができるというのも大きな特徴です。
ハイブリッド型チャットシステム
有人チャットシステムとチャットボットの合わせ技ともいえるのがハイブリッド型チャットシステムです。最初はチャットボットが質問を受け付け、ユーザーの質問に順々に答えていきますが、その過程で結論が出なかった場合はオペレーターが代わって対応する、という仕組みです。オペレーターのところへ回ってくるまでにボットが答えている経緯があるので、オペレーターはそれを見ることでどういった質問なのかを瞬時に理解し、回答することができます。ユーザーは同じ質問を二度する手間がありませんし、回答も早いのでストレスがありません。
チャットサポートを導入するメリット
このように様々な種類があるチャットサポートですが、これを導入することでコールセンターにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
業務効率の向上
一度に一人のユーザーにしか対応できない電話と違い、チャットは複数人に同時に対応することができるため、業務効率の向上が見込めます。本人確認についても、電話口で一つ一つ話してもらう場合は復唱などもあって時間がかかりますが、チャットの場合はユーザーに入力してもらえばよいので、その間他のユーザーの対応をすることもできます。何より間違いが起きにくいのが魅力です。 また、チャットボットを導入した場合はユーザーが自分で問題を解決できるようになるため、問い合わせ数の削減につながります。その分必要な人員が減りますし、より複雑な問題の方に注力することも可能になります。
リアルタイムの対話
メールは返信までに時間がかかり、電話はなかなか繋がらずに待たされる等、サポートへの問い合わせで苦労した経験のある人も多いでしょう。メールの場合、一度で決着がつかず何回もやり取りをするとなるとまたさらに時間がかかります。その点チャットであれば比較的繋がりやすく、またリアルタイムでやり取りができるので、問題解決までの時間は格段に短くなります。お互いが発した言葉をテキストとして目で見ることができるので、誤解がなくスムーズにやり取りできるのも大きな利点です。
テキスト以外でのサポートが可能
質問の内容によっては、言葉でやり取りするよりもWebページや画像・動画などを見た方が早いという場合もありますが、そんなときにもチャットは力を発揮します。オペレーターは参照URLをチャット上に表示すれば、ユーザーはそれをクリックして見ることができます。場合によってはそれで問題が解決してしまうこともあるでしょう。特に電話でなくチャットの方を積極的に利用するようなユーザーは、ある程度ITスキルを持っていることも多いので、この方法が有効となります。
顧客との接点が増える
チャットサポートを導入すると電話での問い合わせ件数が減ると説明しましたが、実は電話とチャットのトータルでは件数が上がる、という現象が起こり得ます。というのも、電話を掛けるのはハードルが高いと感じる層が一定数存在するからです。電話は心理的ハードルが高い、あるいは混雑するので忌避感があるというユーザーも、チャットなら気軽に質問できるでしょう。その結果欲しい回答が得られればユーザーの満足度は上がるでしょうし、企業側としてもより多くの意見が収集できてまさにwin-winの関係となるわけです。このように顧客との接点を増やすのは重要なことです。
履歴をデータベース化することが可能
電話の履歴は音声なのでデータとして利用するにはテキスト化が必要ですが、チャットの履歴はそのままテキストとして残るのでデータベース化が容易です。履歴をデータベース化しておくと、どのユーザーからどんな質問がありどのような回答をしたか、ということが後で簡単に確認できるようになります。これにより、同じユーザーからまた問い合わせがあったときに以前の内容を踏まえて対応できるので、同じことを二度聞かなくて済みます。また、これらの蓄積を別のユーザーからの問い合わせにも活かすなど、対応品質の向上に繋げることも可能です。
チャットサポート導入時の注意点
チャットサポートには多くの利点がありますが、ただ導入すればよいというものではありません。自社のコールセンターにとってどのような形が最適なのかを見極めるためにも、以下に述べる注意点をぜひ意識しておきましょう。
オペレーターのトレーニングが必要
チャットサポートには電話とはまた違ったスキルが必要です。チャットサポートはリアルタイムの対話ができると説明しましたが、ユーザーがメールや電話ではなくチャットを選ぶ場合、スピーディーな回答を期待していることが多いものです。それに応えるためにはユーザーの疑問を的確につかみ、丁寧でありながらも簡潔で短い文章で伝える力が必要となります。また、同時に複数の質問に答える場合、その内容が全く異なることもありますから幅広い知識が不可欠です。オペレーターにはこうした能力を身につけるためのトレーニングが欠かせません。
無人で対応できる範囲が限られる
チャットボットを導入すると業務の効率化につながると解説しましたが、シナリオ型や一問一答型では決まりきった対応しかできないという弱みがあります。AI搭載型なら学習機能で精度を上げることはできますが、やはり人間の対応にはかなわない部分もあるでしょう。質問しても満足のいく回答が得られなければ、ユーザーにストレスを与えてしまいます。このあたりは企業の業種やサービス内容によっても違ってきますが、自社の場合はどこまで自動化できるのかをよく検討しておくことが大切です。
年齢層によっては使いこなせない場合がある
高齢のユーザーはスマホやパソコンの操作に慣れておらず、チャットの利用が難しい場合もあります。タイピングスピードが間に合わない、表示される文字を素早く読むのが困難だということもあるでしょう。チャットはスピード感が魅力ですが、オペレーターだけでなくユーザー側にもスキルが必要なのが悩ましい点です。顧客の年齢層が幅広い、もしくは年齢層が高い企業の場合は、こうしたユーザーのために電話という手段を残しておく配慮も必要となるでしょう。
AI型はチューニングと学習に時間がかかる
AIは万能というイメージがあるかもしれませんが、まず学習をさせてあげないと仕事ができません。特に最初のうちは、質問に対して本当に正しい回答ができているかを確認し、チューニングをすることが必要です。また、数をこなせば回答の精度が上がると説明しましたが、それはすなわち数をこなす、つまり学習する必要があるということでもあります。このように、AIは運用前に準備の時間が必要であると知っておく必要があるでしょう。
チャットサポート導入時の留意点
では、実際にチャットサポートを導入する際にはどういった点に留意する必要があるのか見ていきましょう。
導入目的
導入に当たってはまず目的を明確にすることが大切です。問い合わせ数を削減してオペレーターの負担を減らしたい、あるいは24時間対応でユーザーの利便性を向上したいというのであればチャットボットが適しているでしょう。ただ、複雑な質問が多いのであれば有人チャットシステムが適していることになります。このように目的を明らかにすることで、どのような形が最適なのかが自ずとはっきりしてきます。
チャットへの導線
ユーザーが電話でなくチャットでの問い合わせを選んでくれれば、オペレーターの負担は軽減され業務効率化につながります。そのためには、ユーザーをうまくチャットへと導かなくてはなりません。どこにどのような形で設置したらユーザーはチャットを使ってみたいと思うのか、魅力的と思えるデザインも含め導線をしっかり検討しましょう。
運用形態
チャットボットは定型的な質問には効力を発揮しますが、複雑な質問や回答数の多い場合には対応しきれないことがあります。有人の場合は様々な質問に柔軟に対応することができますが、マンパワーとトレーニングが必要です。自社に寄せられる問い合わせにはどのようなものが多いのかをよく見極め、必要に応じてボットと有人をバランスよく組み合わせたハイブリッド型の運用も検討するとよいでしょう。
データの持ち方を検討
チャットボットのログは貴重なデータとなりますが、個人情報を含む場合もあるためセキュリティを考えるとデータは自社で保管する方が安全です。ただしAI搭載型の場合は学習が進むにつれて知識が膨大になっていくため、自社で保管するとなるとコストがかさみます。これに関してはクラウド上に保存することを検討した方がよいでしょう。
FAQの整備
一問一答式のFAQを組み込んだチャットボットはシンプルで使い勝手のよいものですが、データをあらかじめ整備しておかないと質問に対し的確な回答が出てこないことがあります。できる限り幅広い質問に答えられるよう内容に漏れがないようにしておくこと、またスムーズに回答にたどり着けるよう目的ごとにロジックツリーを構築するといった工夫が必要です。
チャットサポート導入成功のカギは目的を明確にすること
チャットサポートを導入するには目的を明確にし、それに合ったシステムを選ぶことが大切です。自社で導入を検討する際には、ぜひここで紹介した内容を参考にしてみてください。また、自社での導入が難しい場合には外部への委託を検討して見るのも一つの方法です。日本テレネットのBPOサービスは豊富なノウハウと高い実績があります。チャットサポートの導入だけでなくコールセンター丸ごとの運営も依頼できるので、興味があれば問い合わせをしてみるのがおすすめです。
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