カスタマーサポートチャネルを集約するビジュアルIVR

ユーザーを適切なカスタマーサポートチャネルに案内できるのがビジュアルIVRの強みです。ここではビジュアルIVRの詳細や導入するメリット、選び方のポイントについて解説します。

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カスタマーサポートを進化させるテクノロジー

これまではカスタマーサポートと言われるとコールセンターが一般的でした。しかし、インターネットが普及したことにより、電話以外にもメールなども新たな問い合わせの選択肢として現れたことで、コールセンターの負担を軽減できるようになりました。また、2010年代に入った頃からはAI技術が発展し、ユーザーの問い合わせ内容に自動で回答できるAIチャットボットも登場したことで、一部業務は人の手に頼らなくてもできるようになりました。それでは、ユーザーのストレスを軽減し、カスタマーサポートスタッフの業務量を減らすことができるテクノロジーの例を紹介していきます。

チャットボットはAIなどの自然言語処理に期待

かつてのチャットボットは選択肢を表示して進めていく形式のものが基本でしたが、AIによる自然言語処理技術が発展したことで、ユーザーが入力した文章に応じた回答ができるようになってきています。それでは、カスタマーサポートの業務の軽減に繋がるAI技術について紹介します。

LINE BOTなどの活用が拡大

LINE BOTなど1から開発しなくても手軽に利用できるサービスも登場しており、企業のAIツールの導入のハードルも下がっています。導入企業の数も大幅に増えました。それにより、手軽により精度の高い回答ができるチャットボットを作れるようになっています。

音声認識技術の進化

音声認識技術も進化しており、電話対応も自動化する企業も出てきています。やはりすぐにコールセンターに問い合わせてしまうユーザーは少なくありません。そこで最初にAIがユーザーと会話を行い、スタッフによる個別対応が必要ならスタッフにつなぐようにすることで、電話をかけてきたユーザーが不快に思うことなく、コールセンターの負担を軽減できるようになりました。

ビジュアルIVRの活用も盛ん

ビジュアルIVRを活用し、適切なカスタマーサポートチャネルに案内する企業も増えています。サービスを利用していて不具合や疑問点が生じた際、問い合わせの緊急性の高さに関係なく電話で問い合わせてしまう人は少なくありません。それ故にカスタマーサポートに繋がりにくくなり、ユーザーにストレスを与えてしまうことが考えられます。また、問い合わせをしても結局別の問い合わせ先に案内しなければいけなくなってしまうといった場面もよくあります。そこでビジュアルIVRを導入することで、問い合わせ内容に応じた適切なカスタマーサポートチャネルを案内できるようになります。

IVR(Interactive Voice Response)とは

IVRとはInteractive Voice Responseの頭文字であり、自動音声応答システムのことを言います。代表的なものとしては、コールセンターに問い合わせをする際に要件に応じて番号が振り分けられており、指定の番号を押したら適切な問い合わせ部署に繋がる仕組みが挙げられます。特に大企業のような部署がたくさんある企業の場合、専門性が高いなどの理由で1つの部署だけでは対応しきれないこともあるでしょう。そこで事前にユーザーの問い合わせの内容を把握し、適切な部署に案内することで問い合わせをスムーズに終えることができます。

ビジュアルIVRとは

ビジュアルIVRとは、IVRを可視化したものです。問い合わせフォームと言っても、電話、メール、チャットボットなど様々な種類があるでしょう。そこですべての問い合わせ先をまとめ、ユーザーの問い合わせ内容や要件の緊急性に応じて問い合わせ方法をすぐに選べる様になっているのがビジュアルIVRです。

ビジュアルIVRと従来のIVRとの違い

ビジュアルIVRと従来のIVRとの違いは、ユーザーへのアプローチの方法です。従来のIVRは音声を通して案内を行います。それに対して、ビジュアルIVRは視覚的にアプローチを行うのが大きな違いと言えるでしょう。従来のIVRなら一つ一つ案内を聞かなければいけないので、案内を聞き逃してしまうこともあるでしょう。それに対してビジュアルIVRならすぐにすべての問い合わせ方法を確認できるので、スピーディーに適切な問い合わせ先に案内できます。

ビジュアルIVRの種類

ビジュアルIVRの種類は主にSMSを使用するタイプと専用アプリを使うタイプに分かれます。それでは、それぞれの特徴やメリット・デメリットなどについて解説していきます。

URLをSMSに送付するタイプ

URLをSMSに送付するタイプでは、ユーザーから問い合わせの電話があった際に、ユーザーの電話番号にURLを送って問い合わせフォームに案内します。このタイプだと、まずユーザーに電話を掛けてもらってから音声案内で問い合わせ内容を確認し、個別での案内が必要なかった際にURLを送付するタイプと、最初からURLを送付するタイプに分かれます。 SMSを利用する場合のメリットは誰でも利用できる点でしょう。SMSは国際規格であり、問い合わせをした電話番号がスマホのものであれば誰でも受信できます。しかもSMSアプリは最初からスマホにインストールされていて下準備が必要ないうえ、受信に費用もかかりません。このようにユーザー側の負担が少ないのもSMSのメリットです。ただ、SMSを利用する場合、まずユーザーに問い合わせ用の電話番号に電話を掛けてもらわなければいけません。また、スマホでないとSMSを送付できないので、家庭用電話からの問い合わせには別の対処が必要となります。

専用アプリに表示するタイプ

専用アプリにビジュアルIVRを表示するタイプは、ユーザーに専用アプリをダウンロードしてもらって、アプリの問い合わせ用ページに電話、メール、チャットなどの問い合わせ先に加え、よくある質問をまとめたページを表示することが多いです。また、最初にチャットボットを表示してユーザーの問い合わせ内容に応じて問い合わせ先を案内するケースもあります。

専用アプリに表示するタイプのメリットは、アプリをダウンロードしてもらうことでユーザーの情報を収集できる点でしょう。ただ、専用アプリをダウンロードする手間がかかるというデメリットもあります。特にアプリの動作が重い場合、ユーザーがアプリをアンインストールしてしまう可能性も考えられます。したがって、ユーザーの利便性を考えてアプリを制作する必要があります。

ビジュアルIVRの導入メリット

それでは、ビジュアルIVRを導入するメリットにはどんなものがあるのでしょうか。自社の課題に応じたメリットがあるかどうか考えてみてください。

スタッフの稼働時間や人件費を削減できる

ビジュアルIVRを導入することでスタッフの負担が減り、それに伴って稼働時間や人件費を減らせます。企業の問い合わせ用コールセンターは、なるべくユーザーの問い合わせにすぐに対応できるように多めに人を用意する必要があります。しかしながら、ビジュアルIVRを導入し、コールセンター以外の問い合わせ方法を案内することで、緊急性の高い問い合わせから対応したり、人手を使わずに対処できる問い合わせに対応出来るようになります。そのため、スタッフの仕事量が減り、コールセンターの規模の縮小、人件費の削減に繋がります。

顧客対応を自動化でき、利便性が向上する

問い合わせ方法が電話しか無い場合、スタッフに細かく要件を伝えなければいけません。しかし問い合わせ内容が簡単なものだった場合、いちいちスタッフに詳細を伝える工程が面倒でしょう。ビジュアルIVRの強みは視覚ですぐにユーザーにアプローチできる点です。自動音声応答システムを利用する際、音声案内を聞くのに待つ必要があります。そこでビジュアルIVRなら待ち時間ゼロですぐに適切な問い合わせ先にたどり着けるので、利便性が向上し、ユーザーのストレスを軽減できます。

既存のコンテンツを活用できる

ビジュアルIVRを導入すれば、電話以外のカスタマーサポートチャネルも活用しやすくなります。複数のカスタマーサポートチャネルがあっても、企業サイトの問い合わせページがわかりにくいなどの理由で電話以外のカスタマーサポートチャネルを活用できていない企業は多いです。特によくある質問ページを活用しきれず、本来なら問い合わせをしなくても解決できるような内容の問い合わせが多くなっているケースはよくあります。そこで、すべてのカスタマーサポートチャネルを活用することで、コールセンターの負担を軽減、コールセンターに繋がりにくいなどユーザーの不満も解消できます。

24時間受付によって機会損失を防止し、顧客満足度を向上できる

コールセンターを24時間365日常時稼働させるにはコストがかかります。そのため、多くの企業は平日のみなどで対応していますが、社会人や学生だとコールセンターの営業時間に問い合わせができないという声も上がりやすいです。実際に問い合わせしたいときに問い合わせられないことを理由にサービスを解約してしまう人も少なくありません。そこでビジュアルIVRなら、メールなど時間外でも問い合わせを受け付けられるチャネルに案内できるので、ユーザーのストレスを軽減し、顧客満足度を向上させられます。

通話料金の負担

カスタマーサポートは問い合わせが集中しやすいため、多くの企業はフリーダイヤルではなく有料としています。しかし、ユーザーにとって通話料は負担になってしまうでしょう。特に問い合わせをしたのに別の番号を案内されてしまった場合、ユーザーの通話料の負担も膨らんでしまいます。そこでビジュアルIVRを導入してサイトのよくある質問ページをチェックし、自己解決を促したうえで必要があれば問合せる流れを作ることで、ユーザーは問い合わせに電話を掛ける必要がなくなり、通話料負担を軽減できます。

ビジュアルIVR検討ポイント

それでは、ビジュアルIVRを導入するにあたってはどんなポイントを確認する必要があるのでしょうか。導入時にどんな機能があれば良いか、検討ポイントを紹介してきます。

目的に応じてアクセス方式を選択

まず、ビジュアルIVRを導入する目的に応じて、適切なアクセス方式を選びましょう。ビジュアルIVRのアクセス方式には先ほど紹介したSMSにURLを送信する方式や専用アプリを使用する方式以外にも、企業サイトに直接ビジュアルIVRを掲載する方法や、指定の電話番号に発信したら自動的に専用アプリが起動する方式も存在します。例えばサービスや商品を利用するのにアカウント登録が必要ないものなら、アクセスの手軽さを重視して手軽に利用できるSMS方式や、企業サイトを使った方式を選ぶと良いでしょう。また、アカウント登録が必要なサービスなら専用アプリを利用すれば自動的にアカウント情報と問合せ内容の紐づけができるので、問い合わせの対応もスムーズになります。このように、商品・サービスのユーザーに合わせたアクセス方法を選択してください。

IVRの階層ごとに「よくある質問」提示

ビジュアルIVRを導入するにあたっては、IVRの階層ごとによくある質問を表示し、自己解決を促すことも大切です。問い合わせの中には自社サイトのよくある質問ページを確認すれば解決できる内容も少なくありません。しかし、よくある質問ページの項目が多すぎて面倒などの理由で電話で問い合わせてしまう人もいます。カスタマーサポートに繋がりにくくなる原因には、ユーザーが調べずに問い合わせをしている部分も大きいです。そこで、IVRの階層ごとによくある質問を表示することで、問い合わせをする前によくある質問を確認する流れを作り、なるべく自己解決してもらうようにしましょう。

選択型メニューで問題を絞り込み

ビジュアルIVRに選択型メニューを表示し、問題を絞り込めるようにすることで、問い合わせがよりスムーズに行えるようになります。特に企業が大きければ部署もたくさんあるので、問い合わせ先の部署を1つに絞るのが難しいです。そこで、選択型メニューで問い合わせ内容の絞り込みを行えば、スムーズに適切な問い合わせ先に案内することができます。また選択式メニューの内容に応じて、よくある質問ページの適切な項目に案内できるようにすれば、ユーザーがよくある質問ページを読み込む必要が無くなり、より問題の自己解決を促しやすくなるでしょう。

CRMシステムと連携 生産性と顧客体験を一挙に向上

商品・サービスの特徴によっては、ビジュアルIVRをCRMシステムと連携させて、ユーザー情報を収集するのも良いでしょう。この場合は専用アプリを選択する必要があります。専用アプリなら個人情報と問い合わせ内容以外にもサービスの利用履歴などの情報も蓄積できます。そこでこれらの情報を紐づけることで、年齢や性別、職業、サービスの利用頻度などユーザーの属性ごとに多い問い合わせや不満を把握し、生産性や顧客体験・顧客満足度を向上させられるでしょう。

ビジュアルIVRを導入してカスタマーサポートとユーザー両方の負担を軽減しよう

ビジュアルIVRを導入することによって、ユーザーをメールなど電話以外の適切な問い合わせ先に案内したり、よくある質問ページに案内して自己解決を促したりすることができます。それにより直接コールセンターに問い合わせるユーザーが減り、コールセンターの業務量を減らし、コールセンターにも繋がりやすくなることが期待できるでしょう。ユーザーにとっても企業にとってもビジュアルIVRを導入するメリットは大きいです。現在のコールセンター業務に課題を感じているなら、さまざまなコールセンターのニーズに対応可能な日本テレネットのBPOサービスに問い合わせしてみてください。

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