エフォートレス体験とは?CES測定と実践方法の要点を解説
「手間」という言葉を聞くと、多くの人は「手間をかけず最小限の労力で最大限の成果を得たい」と考えるのではないでしょうか。
この考え方は仕事だけではなく、日常生活やプライベートにおいても共通していることでしょう。
コールセンターにおいてはなかなかつながらない、つながっても解決までに時間がかかることが、顧客にとっての「手間」になります。
本記事では、エフォートレス体験とはどのようなものなのかについて、CES測定と実践方法の要点とあわせて解説します。
エフォートレスとは
エフォートレス(Effortless)とは、直訳すると努力を要さないという意味を持つ単語になります。
顧客が製品やサービスを利用する際には、少なからず時間や労力を要するものです。
コールセンターにおいては電話のつながりやすさや、課題解決までのスピードなどがエフォートレスである必要があります。
CESで測るエフォートレス体験
エフォートレスを計測する要素のひとつとして、CES(Customer Effort Score)と呼ばれるものがあります。
CESは顧客が商品やサービスを利用する際、どれくらいの時間や労力が必要だったかを示す指標です。
CESは低い方が良く、高くなるほど顧客に多くの時間や労力を使わせている状態のため、改善が求められます。
こちらは指数であり、下記の方法で算出します。
- CES = 好意的な意見の割合 – 批判的な意見の割合
評価は0から5の6段階、または1から7の7段階になります。
なぜ「エフォートレス体験」が重要なのか?
CESが低い顧客体験は「エフォートレス体験」と呼ばれており、企業活動において重要な役割を持ちます。
では、なぜエフォートレス体験が重要なのでしょうか。
顧客にエフォートレス体験をしてもらうことで、下記のようなメリットを得られます。
- 顧客満足度の向上につながる
- 顧客ひとりが自社にもたらす利益(LTV:Life Time Value)が増加する
- すぐれた顧客体験の提供につながる
同じサービスを提供している競合他社よりもすぐれたエフォートレス体験を得られる場合、競争優位に立てるのです。
良質なエフォートレス体験を実現するための戦略
良質なエフォートレス体験を実現するためには、下記の戦略が有効です。
チャットボットを用意する
顧客がコールセンターに対していだく不満のひとつとして、オペレーターにつながらないことが挙げられます。
また、つながったとしても解決までに多くの時間を要する場合も、顧客満足度は低下します。
営業時間外になるとコールセンターにつながらなくなることも、不満をいだく要因のひとつといえるでしょう。
チャットボットを用意することで、顧客は24時間いつでも問い合わせが可能となり、問題を解決できるようになります。
FAQを設置する
顧客のなかには、できれば問い合わせずに問題を解決したいと考えている人が多くいます。
Webサイトなどによくある質問やFAQなどを設置しておくことで、架電せずに課題を解決しやすくなります。
顧客に良質なエフォートレス体験を提供するために、近年多くの企業がFAQを設置するようになりました。
FAQの量が多い場合はカテゴリに分類したり、キーワード検索を設置したりすることでストレスを軽減できます。
分析
まずは各種分析ツールやお客様の声などを参照して、現状の課題を抽出しましょう。
やみくもに利便性を向上してもエフォートレス体験が向上するとは限らず、最悪の場合悪化してしまう可能性があります。
顧客の購買行動や良く見られているページなどを知ることによって、エフォートレス体験に必要な要素を理解できるでしょう。
おわりに
本記事では、エフォートレス体験とはどのようなものなのかについて解説しました。
エフォートレス体験とは、顧客が製品やサービスを利用する際の負担や時間的な労力が少ない体験を指します。
競合他社との差別化要因にもなるため、近年では良質なエフォートレス体験を実現するためにさまざまな施策を実施しています。
下記はエフォートレス体験を向上させるための施策・考え方です。
- チャットボットを用意する
- FAQを設置する
- 分析
顧客体験を向上させたいときは、エフォートレスの観点からも検討しましょう。