コールセンター運営代行サービスで業務を委託する場合の費用対効果は?
コールセンターを導入することで、企業にどのような影響が生じるのでしょうか。こちらでは、コールセンター導入のメリットや社内運用した場合の費用、運用代行を利用する際の注意点などについて見ていきます。
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コールセンター社内運用時に必要となる事は?
コールセンターを社内運用にする場合、複数のステップを経る必要があります。以下で、それぞれの項目ごとに行う作業を見ていきましょう。
コールセンター立ち上げの方針とKPI設定
コールセンターを立ち上げる際、まずは方針を決めなければなりません。売上の向上を目指して顧客満足度を優先させたい、生産性を維持するためにコストを抑えて運用したいなど、方針を明確にすることで目的に見合ったコールセンターを立ち上げやすくなります。 次に、コールセンターで求められる機能をリストアップして、どの作業をどういったプロセスで進めていくかを決めていきます。その際、方針に合わせて応答率やサービスレベル、顧客満足度、平均処理時間などのKPI設定が必要です。
現状の課題調査
コールセンター立ち上げの方針が決まったら、自社の現状を把握して課題を洗い出していきます。 具体的には、運用のプロセス、マネジメント、組織の体制、オペレーターの育成やフォロー体制、システム関連の5つに関し、自社の現状を確認して何が不足しているか、どのような改善が必要かをそれぞれ検討していきます。これらの課題を事前に把握して解決しておくことにより、コールセンター立ち上げから運用までをスムーズに進めることが可能です。
コールセンター社内運用は初期費用もランニングコストも大きい
コールセンターを社内運用にすると、初期費用やランニングコストはどれくらいになるのでしょうか。以下に、おおよその初期費用とランニングコストを抑える方法についてご紹介します。
コールセンターを社内で導入するには、まず電話回線やCTIシステムを導入する初期費用と、オペレーターとシステム保守の人件費やシステムのメンテナンス費といったランニングコストの両方がかかります。特に、コールセンターでは運営費用のうち、オペレーターの人件費が多くを占めているのです。なぜなら、オペレーターを募集する広告費から研修・教育費、給与まで、多岐に渡る費用がかかるからです。さらに、長期に渡りオペレーターの質を落とさないためには、オペレーターの教育やモチベーションを下げないための対策などを怠らないなどといった努力が常に必要となるでしょう。
そんなことから、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)、いわゆる業務の外注の1つとして、コールセンター業務を運営代行サービスに委託するケースも多くみられるようになりました。システムの構築や人材の確保と教育を行う必要がないため、コストを大幅にカットできます。そもそもコールセンターのオペレーターは顔が見えずその場限りの担当になりやすいため、担当者として意識されにくいものです。必ずしも社員である必要もなく、委託しやすい業務だといえるでしょう。
コールセンター社内運用の平均初期費用はいくら?
社内にコールセンターを導入する場合には、システムを提供する企業のサーバーを利用するクラウド型と、自社内にサーバーを設置するオンプレミス型という2つの形態があります。 クラウド型の場合、すでに用意されているシステムやサーバーを利用できるのでメンテナンス不要、短期間で導入できる上、初期費用を抑えることができますが、システム利用料や保守運用費などのランニングコストが割高になる点、カスタマイズが難しい点、サービスによってはセキュリティ面が弱い点などがデメリットです。初期費用の平均初期費用はコールセンターの設計内容によって異なるため、平均初期費用を知りたい場合はコールセンターの委託運営会社に問い合わせてみることをおすすめします。
コールセンターのランニングコストを抑えるためには?
コールセンターの質をできるだけ落とさずにコストを抑えるには、オペレーターが直接対応する件数や対応時間を減らすのが効果的です。最も大きいコストが人件費ですので、少人数のオペレーターでも対応できるシステム作りを進めましょう。 例えば、テレワークに対応したシステムを導入すれば、コールセンター用のオフィスの維持費や交通費を抑えることが可能です。また、システムの自動化やマニュアル化を進めることも費用対効果の向上に効果的でしょう。 あるいは、必要な機能を絞り込むことで、不要な機能に対して負担していたコストを下げられます。AIの導入やメール、チャットなどによるノンボイス化も、対応時間の短縮やオペレーターの負担軽減に効果的ですので、結果的にランニングコスト削減につながります。
コールセンターはコア業務?ノンコア業務?
コールセンターは、事業に直接かかわる業務ではないという点ではノンコア業務と言えるでしょう。しかし、要望や問い合わせに対処するという顧客との直接的なつながりを考えると、消費者の声を積極的にフィードバックする事業ではコア業務に近いと言えます。 従って、コールセンターは設置すればいいというものではなく、質の高い対応が求められます。具体的に、コールセンターの導入でどのようなメリットがあるのか、事例を踏まえてみていきましょう。
コールセンターの業務とは電話対応をする人員を集め、対応する業務です。オフィスによっては、社員が自分の業務と並行して行っていることも多く、カスタマーサービスやクレーム対応のために、コア業務の手を止めて対応していることも多いでしょう。場合によっては電話対応に時間をとられるあまりに、コア業務を圧迫することも少なくはありません。そこで、電話業務だけを切り離して専門に行うスタッフがいることで、コア業務を滞らせることなく進められるというメリットがあるのです。
つまり、コールセンター業務はノンコア業務とされ、直接的には利益になることはありません。しかし、長い目で見れば確実に顧客の信頼を得るために必要となる重要な業務なのだといえます。ノンコア業務とはいっても、誰がやっても同じ結果が出る仕事ではありません。電話応対の質によって、企業のイメージは大きく左右されますし、各企業の取り扱う製品やサービスについての専門的な知識が必要な仕事なのです。
コールセンターを導入することで得られるメリットは?
問い合わせやクレームを専門的に処理するコールセンターは、導入することでどのようなメリットがあるのでしょうか。 まず、オペレーターやコールセンターの管理業務に特化するため、他の作業の合間に対応するよりも業務を効率化できます。その結果、コールセンター全体の生産性も向上し、対応件数の増加やミスの減少につながります。 これにより、コールセンターを利用した顧客の満足度も向上し、企業のイメージアップに役立つでしょう。また、コールセンターのシステムを導入すれば、モニタリングや自動応答などの独自の機能が使えるため、作業効率のアップにもつながります。
コールセンター導入で良い効果があった事例紹介1
IT・ソフトウェアサービスを提供する企業でコールセンターを導入した事例です。ITやソフトウェア開発においては、クライアントの要望や業種に沿った内容の開発が必要になるため、顧客との密な連携は欠かせません。コールセンターを導入することにより、あらかじめニーズを確認した上でサンプルを作成して商談に臨めるようになり、成約率を高めることができたという事例があります。 マニュアル対応しかできないコールセンターでは顧客の個別聞き取りは困難ですが、正確性や個別対応を意識したシステムを導入すれば、事前に詳しい聞き取りをしたうえで商品やサービスの提案ができるため、成約率を高めることが可能です。
コールセンター導入で良い効果があった事例紹介2
不動産の仲介や注文住宅の建設を主な業務とする企業では、展示会場の閲覧と資料の取り寄せが顧客獲得のきっかけになりやすいです。しかし、感染症の影響などで展示場の来客数が激減した場合には、資料請求や問い合わせが受注窓口の主流になりますので、適宜対応しなければなりません。資料請求や問い合わせに適切な対応ができなければ、機会損失の可能性が高くなり、売上の減少にもつながります。 そこで、短期間で顧客満足度の高いコールセンター代行を利用した結果、顧客が関心を寄せる分野や物件の規模などを把握することができ、より的確なセールスができるようになりました。
コールセンター導入で良い効果があった事例紹介3
ECサイトを中心とする企業では、問い合わせの件数と売り上げが比例しがちです。特に、問い合わせに誠実な対応をした企業を利用する傾向が強く、一時的に問い合わせが殺到した時に対応しきれなかった企業では、注文以外の問い合わせに対応しきれずに混乱を招きました。 これを教訓にコールセンターを設置したところ、効率の良い対応ができるようになったことで応答率が上昇し、問い合わせの内容を分析した結果、商品やサービスのフィードバックにも役立ちました。 さらに、事前に問い合わせ内容をモニタリングすることで、専門的な知識を持つオペレーターへの効率的な振り分けが可能になり、時間の短縮や対応品質の向上に役立っています。
コールセンター運用代行がおすすめの理由は?
企業の規模や業種などによっても異なりますが、一般的にはコールセンターを社内運用にするよりも、運用代行がおすすめと言われています。運用代行を選ぶことによってどのようなメリットがあるのか、以下で見ていきましょう。
コールセンターの社内運用よりコストが低くなる可能性が高い
コールセンター運用代行では、オフィスやオペレーター、機材などが既に準備されています。月々の費用は発生しますが、社内運用でもメンテナンスや人件費などのコストが発生することを考えると、トータルのコストが低くなる可能性が高いと言えるでしょう。加えて、自社でコールセンターを運用する場合、マニュアルが不十分であったり、オペレーターが未経験であったりして、顧客対応にリスクが伴います。運用代行を利用すれば、このようなリスクがほとんどないことも大きなメリットです。
コア業務に集中できる
自社でコールセンターを立ち上げた場合、マニュアルに沿った対応はできても、結果的に担当者に電話を回されることが少なくありません。しかし、運用代行サービスでは専門知識やスキルを持つプロのオペレーターが在籍していますので、クレームの迅速な対応や高いレベルの電話応答が可能です。上質な対応で企業のブランドイメージを高められるだけでなく、自社に問い合わせが回ってくる件数が削減できるため、コア業務に安心して集中できるという利点も得られます。
コールセンター代行は質の高いサービスを提供するプロに頼もう
では、コールセンターを運営代行してもらう場合、どのようなサービスを選ぶことで高い費用対効果が得られるでしょうか。コールセンターにはカスタマーサービスやヘルプデスクのようなインバウンドサービスだけでなく、販売促進やアンケート、テレマーケティングを行うアウトバウンドサービスもあります。インバウンド・アウトバウンドともに、各企業のサービスに応じた専門知識が必要となります。オペレーターとしての専門性の高さはもちろんですが、今やオペレーターはただマニュアル通りに受け答えができればいいという業務ではありません。
それぞれの企業によって、コールセンターの運営の体制にはいろいろな形があるでしょう。どのような体制にも対応できるシステムの柔軟性やITの能力、問題があった場合の分析力、見える化してわかりやすく報告する力など、外注だからこそどんな企業の業務を受託しても対応できるだけの高い能力が求められているはずです。きめ細やかで質の高いサービスを提供する運営代行サービスを選ぶことで、高い費用対効果が得られるでしょう。
コールセンター代行を利用するとしても、そのサービス内容や品質は様々です。企業の顔として顧客に対応することになりますので、質の高いサービスを提供するところに依頼しましょう。以下で、運用代行サービスの質を確認する方法やサービスを選ぶ時の注意点について見ていきます。
コールセンター運用代行の質を確認する方法は?
コールセンターを自社内で立ち上げるのではなく、運用代行に依頼する場合には質の高いサービスを提供できるところを選ばなければなりません。とはいえ、公式サイトを見ただけでは、品質の優劣をつけるのは困難です。 まず、オペレーターの品質や実績、コールセンターの規模や回線数、利用可能な機能、プライバシーマークの取得の有無などを確認しましょう。これらはいずれも、自社サイトだけでなく比較サイトや利用者の評価などを見て確認することが可能です。候補に挙げている代行業者名で検索すれば、色々なデータを見つけられます。具体的な比較基準を設けることにより、信頼して任せられるだけの品質を有している代行業者かどうかを確認できるでしょう。
コールセンター運用代行を選ぶときの注意点は?
コールセンターの運用代行を選ぶ時の注意点として、以下の点が挙げられます。 まず、代行会社によって対応可能な業種や業務内容が異なります。自社の業務に近い内容を得意としている代行業者であれば、専門的な知識を有しているのでコールセンター内で完結することが多く、コア業務に注力しやすくなるでしょう。また、問い合わせ内容の報告を受けるときもわかりやすい報告書を受け取ることが可能です。 また、ランニングコストは長期的に利用する場合に重要なポイントです。相見積もりを取った上で料金体系や単価、サービス内容を比較して、複数の業者から自社に向いているところを探すのも良いでしょう。その際、スタッフの人員体制や対応可能な日時、実際の分析やレポートのサンプル、セキュリティなどを確認することも重要です。
コールセンター業務は専門性の高い運営代行サービスに委託することで費用対効果がアップ!
コールセンターの業務は、必ずしも品質とコストが比例するとは限りません。低コストでも高品質の対応が可能な代行サービスは存在しますし、逆に自社でコストをかけてコールセンターを構築しても、思うような結果にならないこともあります。 コールセンターのノウハウは短期間で得られるものではありませんので、経験豊富で専門的な知識を持つ代行サービスに委託するのがおすすめです。自社の業種に対応可能でコストパフォーマンスの高いサービスを提供するのであれば、コア業務の生産性を向上しながらコストを抑え、さらに顧客満足度を向上させて売上アップを目指すことも可能です。 自社のサービスに即した顧客対応が可能か、手ごろな金額で充実したシステムやサービスを提供しているかを確認した上で、信頼できるところに委託しましょう。
「コールセンター委託ポイント」についてはコールセンター委託ポイントを徹底解説!の記事もぜひご参照ください。