コールセンター自動化とは?IVR導入のメリットや選び方も解説

2025.04.24|⟳ 2025.10.16|インバウンドコールセンター

コールセンターのIVRとは?実際導入するときの流れやメリット・デメリットを紹介

顧客満足度の向上が企業にとって重要戦略の一つとなったことから、コールセンターにIVRシステムを導入するケースが増加してきました。

本記事では、業務の効率化にもつながるIVRとはどのようなものかについて解説します。

Contents
  1. コールセンターの自動化とは
  2. コールセンターを自動化するメリット
  3. コールセンターを自動化する方法
  4. コールセンターでIVRを導入する理由は?
  5. IVRの最大のメリット
  6. IVRのデメリット
  7. 実際にIVRを導入したコールセンターは効率が上がっている?
  8. IVRを入れている主な業界は?
  9. IVRの導入が向いている企業は?導入する場合の流れと平均費用は?
  10. IVRシステムの導入を検討するタイミング
  11. 自社に合うIVRの選び方は?
  12. コールセンターIVR導入時の注意点は?
  13. IVR導入でコールセンターの負担を軽減しよう

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コールセンターの自動化とは

コールセンターの自動化とは、オペレーターが行っていた対応業務をシステムやツールに置き換える取り組みを指します。

代表例として、チャットボットやAI音声認識、IVR(自動音声応答)などが挙げられます。

これらを導入することで、顧客は必要な情報に迅速にアクセスでき、オペレーターは複雑な案件に集中できます。

自動化の重要性は、人手不足や問い合わせ件数の増加といった業界共通の課題に直結している点にあります。

また、24時間365日の対応や、待ち時間削減、人的ミス防止など、顧客体験の改善にもつながります。

近年では自動化は効率化と品質維持を両立させる手段として、現代のコールセンターにおいて欠かせない取り組みとなっています。

 

コールセンターを自動化するメリット

コールセンターを自動化するメリット

先述の通り、コールセンターの自動化は近年、さまざまな企業が導入を検討しています。

こちらでは、コールセンターを自動化するメリットをご紹介します。

対応品質を保つことができる

自動化を実施することで、顧客対応の品質を安定的に維持できるようになります。

たとえばIVRやチャットボットを導入すれば、時間帯やオペレーターの経験値に左右されず、常に均一な応対が可能です。

人間のオペレーターでは避けられない認識のずれや案内のばらつきも、自動化により最小化できます。

また、FAQや定型問い合わせをシステムに任せることで、顧客は短時間で必要な情報にたどり着けるようになります。

業務負担を軽減できる

単純な料金確認や手続き案内など、頻度の高い問い合わせを自動化すれば、オペレーターは付加価値の高い対応に集中できます。

その結果、1人あたりの処理効率が上がり、長時間労働や精神的負担の軽減にもつながります。

さらに、AI音声認識やRPAと組み合わせることで、記録やデータ入力などの事務作業も効率化できます。

人手不足の解消につながる

採用コストが高騰する昨今、自動化は不足する人員を補う実効的な手段です。

IVRやチャットボットを活用すれば、少人数でも大量の問い合わせに対応できる体制を構築できます。

また、24時間365日の対応が可能となるため、顧客の利便性を維持しながら運営効率を高められます。

 

関連記事:コールセンターにおけるDX化とは?推進するメリットと注意点を解説

 

コールセンターを自動化する方法

コールセンターを自動化する方法

コールセンターの自動化を導入しようとしても、何から着手すればわからないという企業は多いのではないでしょうか。

以下にて、コールセンターを自動化する方法について解説します。

チャットボット

チャットボットはWebサイトやアプリに設置され、顧客の質問に即時対応できる仕組みです。

FAQや定型的な問い合わせを自動化することで、オペレーターの稼働を削減できます。

AIを活用した高度なチャットボットでは、自然な会話形式で複雑な質問にも対応でき、顧客満足度の向上に寄与します。

RPA

RPA(Robotic Process Automation)は、事務処理やデータ入力などの反復作業を自動化する技術です。

顧客対応以外にも、システム間のデータ連携や報告書の作成を効率化できるため、全体的な業務改善に役立ちます。

人為的なミスを防ぎ、作業品質の均一化にも貢献します。

AI音声認識

AI音声認識は、顧客とオペレーターの会話をリアルタイムでテキスト化する仕組みです。

内容を即座に分析し、応対履歴や品質向上に活用できます。

また、会話中にオペレーターをサポートする機能もあり、対応精度や顧客体験の向上につながります。

IVR

IVR(自動音声応答)は、顧客のプッシュ操作や音声入力に応じて、最適な部署へ振り分けるシステムです。

待ち時間を減らし、スムーズな案内を可能にするため、多くのコールセンターで導入が進んでいます。

では、なぜコールセンターでIVRを導入するべきなのでしょうか。

 

コールセンターでIVRを導入する理由は?

IVRとはコールセンターで使用される音声技術です。

業務が細分化され多岐にわたってきた中で、企業にとってなくてはならないシステムとして注目を浴びるようになってきました。

IVRの仕組みやコールセンターにIVRの導入が急増してきている背景は、次のとおりです。

IVRの意味

IVR(Interactive Voice Response)とは、自動応答する音声案内のことです。

顧客がコールセンターに電話をかけた際、直接オペレーターにつながるのではなく、要件によって振り分けられた番号をプッシュすることで、問い合わせ部署に誘導する案内方法です。

IVRの仕組み

IVRの基本的な仕組みは、音声案内に従ってプッシュボタンを押していくことで担当窓口につながるというものです。

この間の取り次ぎ作業は自動化されています。IVRでは、問い合わせ内容によって振り分けを行うシナリオがあらかじめ設定されており、顧客は質問に次々と答えながらプッシュ入力を進めることで、階層が深まり、目的の回答に到達することができるという仕組みです。

担当窓口に繋げたり、目的の回答にたどり着くまでの段階直接オペレーターが対応する必要がないため、効率的に顧客の誘導を行うことができます。

 

IVRの最大のメリット

IVRの最大のメリット

 

こちらでは、IVRを導入することで得られるメリットをご紹介します。

顧客満足度が向上する

IVRを導入することで、顧客は自分の目的に合った窓口にスムーズに接続できるようになります。

オペレーターにつながる前に「○○の方は1番を…」と案内されることで、待ち時間によるストレスを減らせます。

また、24時間体制での問い合わせ受付も可能になるため、営業時間外の問い合わせにも対応可能です。

これにより、企業に対する信頼感や利便性が高まり、顧客満足度の向上につながります。

生産性が向上する

IVRを活用することで、オペレーターの対応が必要な案件と、そうでない案件を自動的に振り分けることができます。

自動振り分けが実行されることにより、オペレーターは複雑な対応や個別対応が必要な顧客への対応に集中できるようになります。

また、顧客情報をIVRの段階で入力させることで、事前情報がオペレーターに連携され、スムーズな対応が期待できます。

結果として、1件あたりの通話時間が短縮され、コールセンター全体の生産性が大幅に向上します。

コスト削減ができる

IVRを導入することで一部業務が自動化されるため、人的リソースの削減が可能になります。

オペレーターが対応する件数が減るため人件費の抑制につながり、ピークタイムの人員確保も最小限で済みます。

さらに、問い合わせの一次対応を自動化することにより、対応ミスや重複対応といった非効率も解消可能です。

長期的な視点では、IVRの初期費用を差し引いても、運用コストの削減に貢献します。

IVRを導入する最大のメリットは、顧客満足度の向上につながることです。

コールセンターあてに電話をしてくるユーザーは、それがたとえ単なる意見や問い合わせであったとしても、自社に関心を寄せてくれる貴重な見込み客であるといえます。

しかしせっかく連絡をしても、オペレーターがすぐに回答できなくて長時間保留にしたまま待たされたり、挙句の果てには他部署にたらい回しにされたりすれば、ユーザーの不満が募り、自社の商品やサービスから離脱してしまう恐れがあります。

しかしIVRはその心配がありません。

さらに、24時間対応可能なため、ユーザーは確実に電話をかけた成果を得ることができるので、顧客満足度の向上が期待できます。

 

IVRのデメリット

一方、IVRを導入することで下記のようなデメリットが発生する可能性がある点には注意が必要です。

操作ミスによりストレスを与える可能性がある

IVRではガイダンスに従って番号を押していきますが、案内が長すぎたり複雑だったりすると、途中で混乱を招くことがあります。

また、誤って番号を押してしまった場合、「最初からやり直さなければならない」といった煩雑さもストレスにつながりかねません。

「初めからオペレーターと話ができたらよかったのに…」と思われると、顧客満足度の低下につながってしまいます。

このようなストレスは、企業への印象を悪化させ、問い合わせ途中で離脱される原因にもなり得ます。

その他を選択する顧客が増える可能性がある

選択肢が多すぎたり、適切な選択肢が用意されていなかったりすると、顧客は「その他」を選ぶケースが増加します。

その結果、結局すべての問い合わせがオペレーターに集中することになり、IVR本来の目的を果たせなくなる可能性もあります。

IVRは業務効率の改善および顧客満足度の向上が目的ですが、「その他」を選択されると導入前と変わらないでしょう。

そのため、IVR設計時には「顧客のニーズを的確に捉えた分岐設計」と「ストレスフリーなガイダンス作成」が求められます。

 

IVRを導入すれば、ユーザーが適切な回答にたどり着くまでの時間が短縮されますが、フローの階層を複雑に作りすぎるとなかなか次に進めず、かえって時間がかかってしまうといったことが起こり得ます。

また操作方法を複雑にしてしまうと、該当項目を選択するのに煩わしさを感じ、ユーザーが離脱してしまう恐れがあります。

せっかくIVRを導入したのに逆効果にならないよう、システムの設計には細心の注意を払はなくてはなりません。

 

実際にIVRを導入したコールセンターは効率が上がっている?

コールセンターにIVRが導入されたことで、具体的に次のような業務内容が効率化されています。

まず「オペレーター育成の効率化」です。IVRが導入される以前は、顧客からのすべての質問や要望に応えるため、商品知識やクレーム対応など、必要なスキルを身につけるための育成期間が必要でした。

しかしIVRではオペレーションが分業されるため即戦力化に繋がり、育成にかける労力を省いて効率化を図ることができました。

次に「あふれ呼対策の向上」です。あふれ呼とは、コールセンターの電話が混み合ってつながらないという問題です。

IVRでは、混雑時に時間をおいてのリダイヤルを促しますので、顧客は電話口で待たされることもなく、結果的に混雑が緩和されて応答率の向上にもつながります。

「時間外への対応」も見逃せない効率アップ効果です。

有人オペレーターでは業務外の対応はできませんが、IVRは時間外でも自動対応して、自社のWebサイトなどへ誘導します。

そのため、ビジネスチャンスを逃さず、機会損失することなく利益につなげられます。

下記にて、実際にIVRを導入したコールセンターが導入前と比較して、どのような変化があったのかについて解説します。

IVRを入れることで得られる業務の効率化

IVRを導入すると、電話を受けた段階では顧客対応にあたる必要がなく、顧客自身が該当部署につながってくれるので、電話対応専門に従事するスタッフの人数を削減することができます。

削減した人員は別の仕事に回せるため、事業全体の効率化アップにつながるでしょう。

また、IVRはコールセンターの分業にもつながるので、オペレーター全員がすべての知識を身につけたエキスパートになる必要がなく、育成に手間や労力がかかりません。

そのため、研修や情報共有などに費やす時間が軽減され、効率よくオペレーション業務を遂行できます。

国内コールセンターでIVRを導入しているコールセンターはどれくらい?

一般社団法人日本コールセンター協会が行った「2021年コールセンター企業実態調査」によると、IVRの導入が前提となる音声認識システムのチャットボット業務の対応率が56.1パーセントになります。

また有人チャット業務の対応率が61.0パーセントに上っていることから、約6割以上の国内コールセンターがIVRを導入していると考えられます。

 

IVRを入れている主な業界は?

IVRは、すでに金融・保険業、運送業、旅行業など幅広い業種で導入されていますが、中でも不動産業界、電気・ガス・水道業界、情報通信業界などは、それぞれの業界の特色を生かしながらIVRを有効活用しています。

不動産業界

不動産業界では、顧客対象は主にオーナーと入居者に分けられます。

オーナーの問い合わせには、土地活用の相談や売買・賃貸物件に関する相談などがあり、入居者側からの電話では、売買、賃貸入居物件の検索といった相談などがあって、初めから窓口を分けて対応するのが効果的です。

そのため、それぞれの顧客ニーズに沿ったシナリオでシステムを構築し、ビジネスチャンスを逃すことなく、顧客満足度を向上させる体制が構築されています。

電気・ガス・水道業

電気・ガス・水道業は、それぞれ漏電やガス漏れ、水漏れといったよくあるトラブルや、徴収料金などに関する問い合わせが多く、比較的Q&Aで対応することが容易な業種です。

そのため顧客対応のシナリオが組みやすく、時間外応答にも自動音声で的確な対応が可能なようにシステムを構築しています。

情報通信業

情報通信業は、スマホやSNS、VODなど、日進月歩の先進技術を土台にサービスを展開している業種です。

そのため問い合わせ内容も多岐にわたっており、機器の使用方法からサービスの利用方法、料金体系などさまざまな視点での対応が必要となります。オペレーターがこれらの問い合わせに個々で対応するのは非常に困難であるため、IVRも綿密にシナリオ化されたシステムを導入しています。

 

IVRの導入が向いている企業は?導入する場合の流れと平均費用は?

コールセンターの業務を効率化し、顧客満足度を向上させるIVRですが、実は導入するのには向き不向きの企業があります。

また、導入するにあたっては踏むべき手順や、導入に関する予算なども必要となります。それぞれ以下に解説します。

IVR導入が向いている企業の特徴は?

IVRを導入するのに向いている企業の特徴は、業務が完全に分業化しており、問い合わせ窓口が数多く作られている中で運営しているという点です。

サービスや商品の名前、料金や使用方法で括ることができる、などのように、内容が比較的類型化している体制での運営業態は、問い合わせルートをシナリオ化しやすくIVRシステムを構築しやすい企業であるといえます。

また、会社規模が小さく、少ない人数で運営している企業も、不在時や時間外での顧客対応を可能にするIVRシステムを導入するのに適しているといえます。

IVR導入が向いてない企業の特徴は?

IVR導入が向いてない企業の特徴は、対象となる顧客が高齢化していたり、合理的な対応に拒否反応を示すユーザーを顧客対象としていたりする企業です。

老舗旅館や格式のある料亭などといった接客業やサービス業などでは、IVRの導入が逆効果になるケースもあるので注意が必要です。

IVR導入までの流れ

IVRは、自社で開発する以外はメーカー各社が販売しているIVRに関するサービスを導入することになります。

導入にあたっては、事前に自社の運用方法についての青写真をまとめたうえで、メーカー各社が独自にまとめた他社の導入事例がありますので、これを参考にしながら、自社に適するサービスを検討します。

そのうえで料金なども勘案し、どのシステムを導入すべきかを決定していきます。

IVR導入の平均費用

IVRにかかる費用としては、導入時の初期費用と月ごとの使用料との2種類が必要となります。

料金は、性能や機能によってばらつきはありますが、導入費用としての工事費やサービス登録料などが20万円から25万円程度、月ごとの基本使用料は2万5千円程度が相場です。

 

IVRシステムの導入を検討するタイミング

IVRシステムの導入を検討

IVRは、以下のような状況に該当する企業が導入することで有効性が期待できます。

  • 問い合わせの件数が増加し、オペレーターの対応が追いつかない場合
  • 業務の効率化を図りたい場合
  • 24時間対応の体制を整えたい場合
  • コスト削減を検討している場合

IVRの導入により顧客対応のスムーズ化や業務効率の向上が期待できますが、適切な設計を行うことで最大限の効果を発揮します。

そのためには現場の意見をまとめ、最も時間がかかったり負担が大きかったりする業務を洗い出す必要があります。

これらを解決できるようにIVRを導入することで、顧客満足度の向上および業務効率の改善が期待できるのです。

自社に合うIVRの選び方は?

IVRは大きく分けて、「オンプレミス型」と「クラウド型」の2種類があります。

自社に合うIVRを選ぶにあたっては、まずどちらのシステムが自社に適しているかを検証する必要があります。

「オンプレミス型」とは、自社にシステムを設置して運営するタイプです。

自社のネット環境に合わせてカスタマイズできますので、セキュリティ度が強固で自由度も高く使い勝手が良い点に特徴がありますが、その反面、導入時のコストがかさむというデメリットもあります。

「クラウド型」は、IVRサービスをネット経由で利用する仕組みです。

利用するのはIVRメーカーのサービス事業者が各拠点に設置しているシステムです。

契約すればすぐにもシステムを利用でき、初期費用は安く抑えられますが、長期で使用すれば月額料金が膨らむというデメリットがあります。

セキュリティに関しても「オンプレミス型」ほど強固とはいえません。

まずこの基本的なタイプの違いを押さえたうえで、自社の目指すIVRの基本的な機能が備わっているか、トラブル時に適切なサポートが受けられるかなどの点を勘案して選ぶことが必要です。

IVRの基本的な機能を備えているかチェック

IVRには、チェックすべき必要最低限の基本的な機能があります。

自動読み上げテキスト作成、着信フローの自由設定、24時間365日受電など、IVR専用の基本サービスが備わっているかどうかをまずチェックしましょう。

そのうえで、自動録音機能やあふれ呼対応機能といった追加機能や、SNS送信といった多媒体との連携機能など、自社の導入目的にそった各種の機能を検討する必要があります。

トラブル時のサポート対応をチェック

IVRでは、突発的なトラブルが企業にとっての大きなダメージとなる場合があります。

自動音声の再生に不具合が出たり、24時間対応が機能しなかったりすれば機会損失につながりますし、顧客の信用も失います。

その際は迅速な手当が必要となり、そのサポート体制がしっかりと充実しているかどうかも、IVR選定には欠かせない視点となります。

使用料金が安くて機能はまずまずでもサポート体制が不十分なようでは、導入も慎重にならざるを得ません。

 

コールセンターIVR導入時の注意点は?

せっかくIVRを導入するにしても、顧客満足度の向上と事業の効率化につながらなければメリットがありません。

IVRの導入効果を最大限に発揮するためには、「ガイダンスをシンプルかつ明確に決める」「ストレスの少ないメニューカテゴリーの設定」「オペレーターにつながる機能の備えも考える」「ビジュアルIVRを考慮する」などといった視点が大切です。

ガイダンスをシンプルかつ明確に決める

顧客の電話がIVR導入のコールセンターにつながったとき、最初に流れるのがガイダンスです。

問い合わせ内容を担当者につなげるために、これからどう操作してもらいたいかを顧客に伝えるものですが、最も大切なのは内容を簡潔にわかりやすくまとめるということです。

長々と要領を得ない説明では顧客は途方に暮れてしまい、途中で離脱してしまうという最悪のケースも考えられます。ガイダンスはシンプルに明確にまとめる、という点を肝に銘じましょう。

ストレスの少ないメニューカテゴリーの設定

メニューカテゴリーとは、問い合わせ内容の括り方や配列の順番のことです。

顧客はこのメニューをもとに自分の問い合わせ内容をあてはめながら番号をプッシュしていきますので、なるべく早くわかりやすい括り方で質問内容をメニュー提示することが顧客満足度の向上につながります。

たとえば商品のサブスクリプションに関する問い合わせの場合、レンタル料金の仕組みや解約に関する内容が最も多い場合は、メニューの最初に持ってくるといった具合です。

どのようなメニューを作れば顧客に満足してもらえるか、その視点でメニューカテゴリーを設定していきます。

オペレーターにつながる機能の備えも考える

IVRによる音声案内は、すべてのメニューカテゴリーを網羅できているわけではありません。

顧客によってはどのメニューも自分が知りたい内容にあてはまっていないと感じるケースも少なくないのです。

メニューカテゴリーをより詳細に細分化して該当項目を増やすという考え方もありますが、これは顧客に煩わしさを感じさせてしまう悪手です。

その場合は、オペレーターにつなげるメニューを加えます。

顧客の中には、直接オペレーターと話して内容を確認したいと考える人もいますが、オペレーターにとっては手間が増える結果になりますが、顧客満足度は格段に向上するでしょう。

ビジュアルIVRを考慮する

IVRは音声の案内だけで問題解決の窓口まで誘導しようとするシステムですが、業種によっては業務内容が複雑で多岐にわたるため、メニューカテゴリーが多くなって最終案内まで時間がかかりすぎるという問題も生じています。

その場合は「ビジュアルIVR」を導入するのも一つの方法です。

ビジュアルIVRとは、音声案内の内容をWebやアプリなどを使って見える化し、視覚的にわかりやすく案内する方法です。

顧客は音声ガイダンスの終了を待つことなくスムーズにガイダンス画面を操作できるので、ストレスなく問題解決をはかれます。

場合によっては顧客自身で自己解決することもでき、結果的にオペレーターの負担が軽減されるというメリットがあります。

定期的な見直しを行う

顧客満足度を向上させるという本来の目的に沿って、IVR導入後も定期的な設定内容の見直しを行うことが必要です。

自社の提供する商品やサービスに常に改良を重ねることで市場価値が高められていくように、IVRの設定も顧客にとって常に最も使いやすい内容に最適化するのが、IVRの質を高める最善の方法といえるでしょう。

 

IVR導入でコールセンターの負担を軽減しよう

本記事では、IVRとはどのようなものかについて解説しました。

コールセンターでは問い合わせ件数の増加や人手不足が深刻化しています。

IVR(自動音声応答)を導入することで、顧客を適切な窓口に自動振り分けでき、待ち時間や対応ミスを減らせます。

結果としてオペレーターは複雑な案件に集中でき、生産性と顧客満足度の両立が可能です。

さらに24時間対応や人件費削減にもつながるため、現代のコールセンターに欠かせない仕組みとなっています。

 

「コールセンター委託ポイント」についてはコールセンター委託ポイントを徹底解説!の記事もぜひご参照ください。

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タグ : コールセンター ビジュアルIVR 業務効率化
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