チャットボットの種類・特徴を紹介!選び方や注意点も解説
2025.10.15|カスタマーサポート, コールセンター
チャットボットは、企業の顧客対応や業務効率化を支える重要なツールとして注目されています。
AI技術の進化により、問い合わせの自動化や24時間対応が可能になり、顧客体験の向上に貢献しています。
しかし、チャットボットには複数の種類があり、仕組みや特徴を理解した上で選定することが欠かせません。
本記事では、チャットボットの種類・特徴を紹介し、選び方や導入時の注意点について解説します。
チャットボットとは?
チャットボットは、企業や自治体などが導入する自動応答システムであり、人が対応する代わりに、顧客や利用者からの問い合わせに即座に回答します。
顧客サポートや商品案内、予約受付、社内の問い合わせ対応など、幅広い業務の効率化に役立つのが特徴です。
近年はAI技術の発達により、従来よりも複雑な会話や柔軟な対応が可能になっています。
電話やメール、Webサイト、SNSなど複数のチャネルと連携し、ユーザーが最適な手段で情報を得られる環境を提供します。
業務負担を軽減しながら、顧客満足度の向上や24時間対応を実現することが、企業がチャットボットを導入する大きな理由です。
チャットボットの仕組み
チャットボットは、ユーザーの入力を解析し、適切な応答を返す仕組みで動作します。
基本的な方式として、下記3種類が挙げられます。
- シナリオ型 :あらかじめ用意したシナリオに沿って案内する
- 辞書型 :キーワードに反応する
- AI型 :そしてAIが自然言語処理を活用して文脈を理解する
選択肢を提示してユーザーが選ぶ形式や、過去の会話ログを活用して学習するタイプも登場しています。
いずれも、事前設定したデータや学習結果を活用して問い合わせ内容を認識し、適切な返答や案内を行う点が共通しています。
チャットボットの種類と特徴
チャットボットは導入目的や活用シーンに応じて複数の種類が存在します。
まとめると下記7種類が一般的であり、企業や解決したい課題などによって導入するチャットボットが異なります。
チャットボット | 特徴 | 長所 | 短所 |
AI型 | ユーザーの質問意図を理解して最適な回答を用意する | 複雑な質問にも対応できる | 学習期間を要する |
ログ型 | 過去の会話履歴から最適な回答を用意する | 学習コストを抑えて運用・改善ができる | やり取りが少ない環境では回答の精度が下がる |
選択肢型 | ユーザーに選択肢を与えて回答を提示する | 導入・運用ハードルが低く、入力ミスが少ない | 回答を用意するのに多くの時間・手間・費用を要する |
辞書型 | 登録キーワードやフレーズに基づいて回答を提示する | 限られた質問に対して的確に返答ができる | 回答を用意するのに多くの時間・手間・費用を要する |
シナリオ型 | 事前に設定した会話シナリオに沿って回答を提示する | 会話の流れを細かく設定できる | 回答を用意するのに多くの時間・手間・費用を要する |
FAQ型 | 質問と回答をデータ化し、自動で回答を提示する | 問い合わせ対応を減らせる | 回答を用意するのに多くの時間・手間・費用を要する |
サポート型 | 電話やメールなど複数のチャネルの顧客対応を支援 | チャネルをまたいで顧客対応ができる | 対応していない機器・ツールの場合は利用できない |
しかし、選び方を誤ると顧客体験や業務効率に影響するため、それぞれの特徴を理解することが欠かせません。
こちらでは、チャットボットの代表的な7種類について、特徴や適した利用場面などをご紹介します。
AI型のチャットボット
AI型は自然言語処理(NLP)と機械学習を活用し、人と近い自然な会話を実現します。
ユーザーの質問意図や文脈を理解して最適な回答を導くため、自由入力による問い合わせにも柔軟に対応できます。
新しい言い回しや専門用語が登場しても、学習を重ねることで回答精度が向上する仕組みです。
複雑な製品サポート、ECサイトの購入支援、多言語対応など、幅広い業務で活用されています。
たとえば、入力欄に「○○の価格は?」という問いに対して、AI型のチャットボットは「○○円です。」のように返答します。
また、チャットボットは24時間稼働できるため、顧客対応の迅速化と満足度の向上にも効果的です。
一方、正確な回答を得るために学習データの準備やチューニングが必要であり、その際に初期コストや運用負荷が比較的高めです。
高度な顧客体験を提供したい企業や、問い合わせの内容が多様な業種に適した選択肢といえます。
ログ型のチャットボット
ログ型のチャットボットはAIを実際しており、過去の会話履歴や問い合わせ内容を分析し、最適な回答を自動生成します。
学習コストを抑えながら、応答の精度を改善できる点が特徴です。
継続的にデータを蓄積して活用することで、より正確な対応が可能となります。
一方、やり取りの頻度が少ない環境では、大幅な成果向上は期待できない点には注意が必要です。
選択肢型のチャットボット
選択肢型のチャットボットは、ユーザーが提示された複数の選択肢をクリックして進行します。
ユーザーは提示された選択肢から項目を選んでやり取りを進行します。
ほかのチャットボットと比較すると導入や運用が容易で、入力ミスや誤認識が少ない傾向にあります。
予約受付や資料請求など、定型的な対応が中心の業務に向いています。
辞書型のチャットボット
辞書型のチャットボットはあらかじめ登録したキーワードやフレーズに基づき、自動応答を行います。
シンプルな構造のため導入コストが低く、限られた質問に効率的に対応可能です。
一方、最適なFAQのために多くの情報を収集し、チャットボットに登録しなければならないため、時間をと手間を要する点には注意が必要になります。
FAQが少ない企業や問い合わせ件数が限定される業務に適しています。
シナリオ型のチャットボット
シナリオ型は事前に設定した会話シナリオに沿って、ユーザーに選択肢を与えつつ対応するタイプです。
会話の流れを細かく設計できるため、予約・注文・定型的な案内に活用されます。
参考ページ:当社コラムページ「チャットボットとは?コールセンターに導入するメリットや注意点を解説」
(https://ntn-bpo.jp/column/call-center/chatbots-in-call-centers/)
FAQ型のチャットボット
FAQ型は、よくある質問と回答をデータベース化し、自動で返答する仕組みです。
導入と運用が比較的簡単で、顧客自身による問題解決を促進します。
問い合わせの削減や対応時間の短縮に大きく貢献します。
サポート型
サポート型は電話、メール、Webなど複数のチャネルを統合し、顧客対応全体を支援します。
チャットボット単体ではなく、有人対応やCRMと連携して顧客体験を最適化する点が特徴です。
参考ページ:当社コラムページ「コンタクトセンターのチャットボット活用の効果とメリット」
(https://ntn-bpo.jp/column/call-center/contact-center-chatbots/)
チャットボットはどうやって選ぶ?
自社に最適なチャットボットを選ぶ際、顧客対応の効率化や問い合わせ削減、売上向上など、導入目的を明確にすることが第一歩です。
不適切なチャットボットを導入してしまうと、ユーザーは回答を得られなかったり、操作がわずらわしくなったりしてしまい、顧客満足度が低下してしまいます。
最悪の場合、顧客離れが進行してしまうことから、チャットボットは慎重に選ばなければなりません。
最適なチャットボットを選ぶ際の一例として、複雑な質問に柔軟対応したい場合はAI型、定型業務が中心なら選択肢型やFAQ型が有効です。
既存のWebサイトや電話、メールなど既存システムとの連携可否も重要な検討ポイントです。
加えて、初期導入費用や運用コスト、運営体制も比較検討が欠かせません。
定期的な改善や学習を継続できる体制を整えれば、導入効果を最大化できます。
チャットボットを導入する際の注意点
チャットボット導入を成功させるには、まず目的を明確化することが不可欠です。
顧客対応の効率化、FAQ削減、売上支援など目的を具体的に設定することで、適切な種類や機能を選定できます。
また、導入には設計やデータ準備など一定の時間と工程が必要です。
既存システムとの連携方法や運用体制を事前に整理し、開始後も継続的な改善を行う仕組みを整えることが求められます。
参考ページ:当社コラムページ「コールセンターのチャットサポートとは?導入するメリットも紹介」
(https://ntn-bpo.jp/column/customer-support/chatbot_introduction/)
おわりに
本記事では、チャットボットの種類・特徴を紹介し、選び方や導入時の注意点について解説しました。
AI型やシナリオ型、FAQ型など、それぞれの特徴を理解し自社の目的に合わせて選定することが重要です。
適切な種類を選ぶことで、顧客対応の品質向上や業務効率化、24時間対応の実現など多くのメリットが得られます。
また導入後も改善と運用を継続することで、より高い成果を維持できます。
自社の課題を整理し、最適なチャットボットを活用することで、顧客体験の向上と業務の安定化を同時に実現しましょう。


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