コールセンターのVOCとは?分析手法や活用方法を解説

2024.04.02|⟳ 2025.08.08|インバウンドコールセンター

コールセンターのVOCとは?活用するメリットや収集方法をご紹介
コールセンターは企業の窓口として、お客様からの問い合わせに応対したり、オペレーターから商品の売り込みを行ったりします。

そのため、コールセンターは営業部と同様に、収益を上げることができるポジションといえます。

一方、オペレーターは営業とは異なり、電話越しで必要な情報をすべて伝えなければならないため、品質向上が求められます。

本記事では、コールセンターのVOCについて、活用するメリットや収集方法とあわせてご紹介します。

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コールセンターのVOCとは?

コールセンターにおけるVOC(Voice Of Customer)とは、お客様の声を指すものです。

本来のVOCにはアンケートへの回答や要望、クレームといったもののほかに、SNSやブログなどのレビューも含まれます。

つまり、本来のVOCは電話をはじめとした、さまざまなメディアに投稿・記載されているお客様の声を指すものです。

コールセンターでは電話を経由して寄せられたお客様の声であり、商品・サービスの品質に関わります。

お客様の声を反映させることで、これまで以上に良質な商品やサービスの提供に活かせるでしょう。

 

コールセンターでVOCを活用するメリット

コールセンターでVOCを活用

こちらでは、コールセンターでVOCを活用するメリットをご紹介します。

 

商品やサービスの品質向上につながる

VOCはお客様から寄せられた要望や不満であり、そのなかには企業が気付かなかったものがあります。

特定のシチュエーションで使えなかったり、すぐに故障したりといったことがVOCに含まれます。

企業はVOCを改善した商品やサービスを提供することによって、顧客満足度の向上につなげることができます。

 

顧客満足度の向上につながる

顧客満足度が向上することで、お客様はそのメーカーやブランドのファンとなるため、継続した収益が期待できます。

一方、VOCはお客様からの不満が多いことから、放置すると顧客離れの可能性が高くなります。

VOCが寄せられたときはしっかりと分析して、今後の商品やサービスの製造・開発に活かしましょう。

 

マーケティングに活用できる

自社が商品やサービスを開発しても、マーケティングを行わなければお客様に認知がされにくいものです。

VOCで得られた情報を参考にすることで、マーケティングに活かすことができます。

「○○ができた」「○○を得られた」といった、お客様のリアルな情報は、ほかのお客様にも伝わりやすいものです。

 

コールセンターの品質向上につながる

VOCのなかには、「コールセンターの応対が悪い」「問い合わせても解決しなかった」というものがあります。

これらはコールセンターそのものに寄せられた意見であり、早急な改善が必要です。

コールセンターに対するVOCは、早急に確認・改善を図り、応対の質を改善しましょう。

 

コールセンターでVOCを活用する際の注意点

VOCを収集・分析することで、応対品質やサービス改善につながりますが、実行には慎重な配慮が必要です。

こちらでは、VOC活用時に特に留意すべきポイントを紹介します。

 

顧客情報の取り扱いに注意する

VOCには音声やテキストなど、顧客の個人情報が含まれることが多いため、収集から分析、報告に至るまで情報セキュリティ規定を順守する必要があります。

録音やアンケートによる収集時には同意取得を徹底し、データ加工においても匿名化やアクセス制限を施すことが不可欠です。

 

現場の理解と協力が不可欠

VOCは単なるデータではなく、現場オペレーターの応対改善やマニュアル見直しなど、具体的なアクションにつなげる必要があります。

そのためには、分析結果を現場チームと共有し、改善プロセスに参加してもらう体制が求められるため、現場の声を反映しながら進めることでVOC活用の定着と成果創出が期待できます。

 

コールセンターでVOCを収集する方法

コールセンターでVOCを収集

コールセンターでVOCを収集するためには、下記の方法を採用しましょう。

  • 電話の録音
  • メールやチャットボットの設置
  • SNSなどの書き込み

 

重要なポイントは、あとから分析できるように言語化・数値化することが挙げられます。

特に、電話の録音だけでは聞き逃しなどが発生するため、音声を文章化するツールの活用もおすすめです。

 

VOCの分析方法

コールセンターで収集したVOCを活用するには、適切な分析が不可欠です。

以下にて、集めたVOCをどのように分析するのかをご紹介します。

 

定量分析

定量分析では、アンケート結果や応対評価スコアなど、数値で表せるデータを用いて傾向や変化を把握します。

たとえば、満足度スコアの推移や問い合わせ件数の増減を分析することで、特定期間の顧客の評価や問題点を可視化できます。

BIツールやダッシュボードを活用すれば、リアルタイムでの把握や経営層へのレポートも容易です。

 

定性分析

定性分析では、通話記録や自由記述のコメント内容を読み解き、顧客の感情や意図を深掘りします。

具体的には、発言のキーワード抽出や感情分析、テーマ別の分類などが挙げられ、AIを活用したテキストマイニングによって大量のVOCを効率的に分析できる点も注目されています。

数値に表れない「なぜそう思ったのか」という背景を把握することで、改善のヒントが得られるでしょう。

 

VOCの活用方法

コールセンターで収集したVOCは、企業活動のさまざまな分野で活用できます。

単なる「声の収集」に留まらず、組織全体の変革を促す起点となるのがVOCの特長です。

 

商品・サービス改善への反映

VOCは顧客が商品やサービスに対して感じた不満や要望が詰められている、企業の知的財産ともいえるものです。

たとえば「使いにくい」「〇〇機能が欲しい」といった具体的な意見を集約することで、製品仕様の見直しやサービス提供方法の改善が可能になります。

実際に、顧客の要望を反映した商品改良により、再購入率や満足度が大きく向上した事例も多く見られます。

 

オペレーション改善

対応フローや業務プロセスの見直しにもVOCは有効です。

「電話がつながりにくい」「たらい回しにされた」といった意見を分析すれば、業務のボトルネックや応対品質の課題が浮き彫りになります。

応対スクリプトやマニュアルの更新、スタッフ教育の強化など、業務改善の指針として役立ちます。

 

マーケティングや戦略立案に活用

VOCは、顧客ニーズの変化や市場の動向を知るリアルな情報源でもあります。

そのため、新商品の開発やキャンペーン設計、ターゲットセグメントの再定義など、マーケティング戦略の精度を高める材料になります。

「どのような訴求が響くか」「何が購入動機となるか」といった視点をVOCから抽出することで、競争力ある施策を打ち出せるでしょう。

 

VOCの活用事例

実際にコールセンターで収集されたVOCを活用することで、さまざまな業界で改善効果が報告されています。

ここでは、代表的な3つの業界における具体的な活用事例をご紹介します。

 

通販業界

ある通販企業では、「配送が遅い」「梱包が雑」といった顧客の声が継続的に寄せられていました。

これを受けて、物流パートナーの見直しと、梱包マニュアルの再整備を実施。

加えて、配達予定日時の通知機能をアプリに追加したことで、配送トラブルが大幅に減少し、顧客満足度が向上しました。

結果として、リピーターの割合が以前よりも増加しています。

 

金融業界

金融業界では、手続きの煩雑さや説明不足に関するVOCが多く見られます。

ある銀行では、「Web手続きの画面が分かりにくい」との声を受け、導線設計やFAQコンテンツを全面的に見直しました。

その結果、問い合わせ件数が減少し、オペレーターの対応効率も向上しました。

VOCを起点としたUI/UX改善により、顧客の離脱防止にもつながっています。

 

家電業界

家電メーカーでは、コールセンターでの不具合報告や使用感に関するVOCを製品開発に活用しています。

たとえば、「ボタンが押しにくい」「説明書がわかりづらい」といった意見をもとに、次期モデルでは操作パネルのデザインを変更。

説明書もイラスト中心に改良した結果、初期不良問い合わせが減少しました。

これにより、製品への信頼感とブランドイメージの向上を実現しています。

 

おわりに

本記事では、コールセンターにおけるVOCについて、その定義から分析・活用の方法、具体的な事例までを解説しました。

VOCは企業の成長に欠かせない資産であり、適切な収集と分析を通じて、商品・サービスの改善や業務効率化、戦略立案に直結します。

一方で、個人情報の取り扱いや現場の協力体制といった注意点も存在し、全社的な視点での活用が求められます。

NTNでは、多様なチャネルを活用したVOCの収集・分析をはじめ、業務プロセスの設計・改善支援まで一貫して対応可能です。

VOCの活用を通じて顧客満足度を高めたいとお考えの方は、ぜひ当社までご相談ください。

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タグ : VOC コールセンター
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