コールセンターのトークスクリプトとは?作成手順から例文まで紹介
2024.03.27|⟳ 2025.08.08|コールセンターコールセンターではお客様ごとの連絡内容に対して適切な返答内容を用意し、満足度を上げることが目的の部署といえます。
しかし、コールセンターは属人的な作業であり、オペレーターによってはスキルにばらつきがあるものです。
そのため、多くのコールセンターではこれまでの実績や考えられる質問をまとめた、トーク例を用意しています。
本記事では、コールセンターのトーク例について、例文と役立つ3つのスキルとあわせてご紹介します。
コールセンターのトーク例(トークスクリプト)とは?
コールセンターにおけるトーク例(トークスクリプト)とは、お客様対応のための文言をまとめている台本を指します。
お客様からの連絡内容は多岐にわたり、オペレーターは問い合わせに対して正しい返答内容で伝えなければなりません。
また、同じ返答内容でも、オペレーターによって伝え方が異なるため、品質にばらつきが発生する可能性があります。
トーク例を用意しておくことで品質の向上が図れるだけではなく、効率良くオペレーターを育成することができます。
関連記事:【用語集】Vol.5 初めての「テレアポトーク」実践 電話営業で押さえておきたい用語5選
トーク例(トークスクリプト)で必要な3つの要素とは?
こちらでは、トーク例(トークスクリプト)で必要な3つの要素についてご説明します。
オープニング
トーク例におけるオープニングとは、初めのあいさつや自己紹介といった、電話の「つかみ」に関する要素を指します。
オープニングが正しくできている場合、電話を切られる可能性を下げられるだけではなく、スムーズなやり取りが可能となります。
メイントーク
メイントークでは、お客様からのお問い合わせに対してオペレーターが返答するといった、メインのやり取りが含まれます。
何に困っているのか、なぜ問い合わせてきたのかについて考え、正しい返答を用意する必要があります。
クロージング
お客様とのお電話を終える際には、雑に終えるのではなく最後まであいさつをして終わらせます。
また、テレアポの際は打合せ日時を決めるといった、次のアクションにつなげることが重要となります。
トークスクリプト作成の基本ステップ
トークスクリプトは、対応品質の均一化やオペレーターの負担軽減を目的として作成されます。
こちらでは、トークスクリプト作成時の基本的なステップを解説します。
作成前に整理すべき情報
スクリプト作成の前提として、業務の目的や対象顧客の属性を明確にする必要があります。
インバウンド業務であれば、問い合わせの種別や頻出パターン、対応可否などを分類。
アウトバウンド業務では、営業目的や連絡先リスト、成果指標を整理しましょう。
加えて、社内マニュアルやFAQとの整合性も重視し、矛盾のない構成を心がけます。
現場の課題や顧客の声も取り入れることで、実用性の高いスクリプトが実現します。
会話の流れを可視化する
スクリプトは、実際の通話を想定した構成で作成しますが、オープニングからクロージングまでの流れをフローチャート化することで、通話の全体像が把握しやすくなります。
たとえば「挨拶→要件確認→対応→確認→終了」のように段階ごとの構成を明示し、必要に応じて選択肢(Yes/No)による分岐も設定することで、新人でも迷わず対応でき、応対ミスや時間ロスの防止につながります。
上記より、トークスクリプトを作成する際は伝えるべき情報や想定される会話の流れなどの情報を「見える化」することが重要といえます。
「見える化」を実現することにより、オペレーターによる認識の齟齬や言った・言ってない問題を回避することができ、一度書き出せば過不足などが分かるため、まずは情報を記載していくことが重要です。
また、トークスクリプトは一度作成しても、時流やオペレーション内容の変遷などにより、常に更新が求められます。
作成して終了ではなく、駆使して更新することが目的であり、常にブラッシュアップしていくものだと心がけましょう。
スクリプトの改善で注意すべきポイント
トークスクリプトは、完成した時点で終わりではなく、継続的な改善が求められます。
顧客対応の質を高めるには、文体の工夫や現場の意見を反映した更新が不可欠です。
こちらでは、改善時に意識すべきポイントを紹介します。
話しやすい文体と自然な会話
スクリプトはあくまで会話の補助であり、読み上げ原稿ではありません。
そのため、文末は硬すぎず、実際の口調に近い自然な表現が理想です。
たとえば「~いただけますでしょうか」よりも「~いただけますか」といった簡潔で明瞭な言い回しが適しています。
また、1文を短く区切ることで、聞き取りやすく話しやすいリズムが生まれます。
現場からのフィードバックを活かす
オペレーターが実際に使って感じた「使いにくさ」や「想定外の質問」は、スクリプト改善の重要なヒントになります。
定期的なヒアリングやモニタリングを通じて、内容の見直しを行いましょう。
加えて、SVや教育担当者が修正点を共有する体制を整えることで、全体の品質向上につながります。
コールセンターでよくある実際のトーク例
先述の通り、トークスクリプトは読み上げ原稿ではなく、あくまで会話の補助ツールであることから、交互に近い表現が推奨されます。
しかし、何をどのように表現・記載すれば良いのかが分からないという人は多いのではないでしょうか。
下記は、コールセンターでよくある実際のトーク例です。
インバウンドのトーク例
インバウンドとは、商品やサービスの問い合わせのほかにクレームなどが含まれております。
お客様からかかってきた場合はインバウンドとなり、下記のように進行します。
オープニング :お世話になっております。〇〇株式会社の○○でございます。
メイントーク :○○の件ですね、かしこまりました。現在○○ということでよろしいでしょうか?
クロージング :本日はお忙しい中お時間をいただきありがとうございました。引き続きよろしくお願いします。
アウトバウンドのトーク例
下記、アウトバウンドにおけるオープニング・メイントーク・クロージング例です。
オープニング :お世話になります。○○株式会社の○○と申します。この度は○○のご紹介のためお電話をさせていただきました。
メイントーク :○○様は○○にお困りではないですか?
クロージング :では、後日営業員が○○様のご自宅を訪問させていただきます。ご都合が良い日時はございますか?
コールセンターで役立つ3つのトークスキル
トーク例の有無にかかわらず、下記のトークスキルを身に着けておくことでスムーズなやり取りが可能となります。
- クッション言葉(マジックフレーズ・魔法の言葉)で言葉の印象を和らげる
- 相槌を打ち、相手の意見や気持ちに共感しながら理解を示す
- 復唱して聞き漏らしや認識相違を防ぐ
いずれも、お客様を不快にさせないことが重要です。
お客様の話を聞き、最適な返答をすることで継続して商品やサービスを購入してもらう可能性が高くなります。
関連記事:コールセンターのテレアポ成約率は?平均値や成果を上げる方法を解説
おわりに
本記事では、コールセンターのトークスクリプトについて解説しました。
トークスクリプトは、オペレーターごとの対応のばらつきを防ぎ、顧客満足度を高める重要なツールです。
業務内容や顧客属性に応じた構成と、会話の流れを可視化する工夫が求められます。
また、現場の声を反映しながら継続的に改善することが、実用性の高いスクリプト作成につながります。
加えて、クッション言葉や復唱などのスキルを組み合わせることで、より丁寧で信頼される対応が可能になります。


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