コールセンターの生産性向上の課題|向上プロセスや具体策とは?
コールセンターでは、一般的に受電は「アウトバウンド」、架電は「インバウンド」と呼ばれます。
いずれにおいても、コールセンターは生産性と満足度を向上させなければなりませんが、同時に業務効率を改善する必要があります。
本記事では、コールセンターの生産性向上の課題について、向上プロセスや具体策とあわせてご説明します。
コールセンターの生産性向上における課題
コールセンターにはさまざまな問い合わせが寄せられるため、業務効率が低下しやすい傾向にあります。
下記は、コールセンターの生産性向上における課題です。
受電数・対応件数が少ない
受電数に対してオペレーターの数が多い場合、オペレーターひとりあたりの対応件数が少なくなるため、生産性が低下している状態といえます。
解決するためには受電数を増やすか、オペレーターの人数を調整する必要があります。
通話以外の業務
オペレーターは電話対応だけではなく、電話内容の記録やスクリプト・マニュアルの作成などさまざまな業務を行います。
電話対応以外の業務が増えるほど主業務である電話対応が圧迫されるため、業務効率の低下につながります。
情報共有の滞り
コールセンター内で引継ぎなどの情報共有が滞ってしまうと、電話先の相手の満足度低下だけではなく、業務効率が低下する要因となります。
そのため、共有された情報をすぐに把握できるように、社内インフラを整える必要があります。
コールセンターの生産性を上げるためのプロセス
こちらでは、コールセンターの生産性を上げるためのプロセスをご紹介します。
現状把握・課題を明確にする
生産性を上げるためには、現状を把握して課題を明確にすることが重要です。
下記はコールセンターの生産性に関する要素であり、これらの観点から課題を抽出しましょう。
ATT(Average Talk Time)
平均通話時間
ATT=総通話時間 ÷ 総対応件数
ACW(After Call Work)
通話終了後に行う作業時間
ACW=通話終了後の作業時間÷対応件数
AHT(Average Handling Time)
通話開始から終了後に行う作業時間の合計
AHT=ATT + ACW
CPC(Cost Per Call)
1コール時に発生する費用
CPC=総コスト÷総対応件数
CPH(Call Per Hour)
ひとりのオペレーターが1時間に受電する回数
CPH=1日の対応件数÷稼働時間
目標設定を行う
先述した要素のなかから、特に解決したい課題を抽出して目標値を設定します。
たとえば、AHTが10分の場合、8分に下げることで20%削減できることになります。
施策の実行
設定した目標を達成するために、マニュアルを作成して研修を実施します。
その際、複数の施策を実施すると効果があったものが分からないため、ひとつずつ実施することがポイントとなります。
効果測定する
実施した施策がどれほどの効果があったのかを、実績をもとに分析します。
オペレーターの感覚のような定性面だけではなく、実際に発生した費用や時間といった定量面からも分析しましょう。
コールセンターの生産性を上げる具体的な施策
設定した目標を達成するために、下記を実施してみましょう。
- メリハリをつけるための休憩制度の導入・整備
- コールセンターシステムによる自動化
- 業務そのもののアウトソーシング
オペレーターの能力を最大限に発揮することと、自動化が生産性向上のために重要なポイントとなります。
おわりに
本記事では、コールセンターの生産性向上に関する課題についてご説明しました。
コールセンターは受電数・対応件数が少ない、通話以外の業務、情報共有の滞りといった課題により生産性が向上しにくいものです。
下記のプロセスを経ることで、コールセンターの生産性を向上させることができます。
現状把握・課題を明確にする
- 目標設定を行う
- 施策の実行
- 効果測定する
生産性を向上させるために、オペレーターの能力を最大限に活用するほか自動化やアウトソーシングなどを行ってみましょう。