コールセンターのマニュアルとは?重要性や作成手順を徹底解説

2024.01.20|⟳ 2025.06.10|インバウンドコールセンター

電話対応のマニュアル化はコールセンターの質を高める?

コールセンターは非対面ではあるものの、企業と顧客をつなぐ重要なポジションです。

クレーム対応や使い方など、コールセンターにはさまざまな問い合わせが寄せられます。

効率良く業務を実施するためには、マニュアルの作成・利用が有効です。

本記事では、コールセンターのマニュアルについて、重要性や作成手順とあわせて解説します。

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コールセンターのマニュアルとは?

コールセンターにおけるマニュアルとは、コールセンターで発生する業務がまとめられている冊子やファイルになります。

ベテランと新入社員で業務効率に差がある要因のひとつとして、業務の流れを把握できていないことが挙げられます。

マニュアルを用意することで業務方法や流れを把握できるようになるため、業務効率を改善できます。

 

マニュアルの重要性

マニュアルとは、企業における業務に関するノウハウや、業務全体の進行をひとつにまとめた資料です。

企業では収益を上げるため、社員がさまざまな作業を行っています。

新入社員や中途社員は初めから高品質な業務ができるわけではないため、OJTや先輩社員が指導する企業がほとんどです。

しかし、社員の教育には多額の費用が発生するため、企業としては可能な限り抑えたいと考えます。

そこで、多くの企業が業務全体や対象となる作業の進め方が記載されたマニュアルを作成するようになりました。

コールセンターにおいても電話対応マニュアルを用意することで、お客様からのさまざまな電話問い合わせに対して、ある程度同じ対応を行うことができます。

 

マニュアルを作成する目的

コールセンターにおけるマニュアルはオペレーターの顧客対応の品質を向上させることが目的です。

オペレーターが人である以上、成果を出す方やなかなか成果を出しにくい方がいらっしゃいます。

また、お客様対応を行ったあと、ついつい言われたことを忘れてしまう、という方もいらっしゃるでしょう。

このように、人の能力による格差を無くすために、コールセンターでもマニュアルを用意するようになりました。

 

コールセンターのマニュアルの種類

コールセンターのマニュアルの種類

コールセンターでは、インバウンド型・アウトバウンド型によって最適なマニュアルを作成する必要があります。

 

インバウンド型

お客様など外部から自社に問い合わせがあることを、インバウンドと呼びます。

受注や商品の使い方、不具合の対応といった内容が寄せられることが多く、企業や商品の規模によって問い合わせはさまざまです。

マニュアルを作成する際には問い合わせが多い質問を前半にまとめるなど、回答を探しやすいレイアウトにしましょう。

 

アウトバウンド型

アウトバウンドは企業からお客様に架電を行うことであり、新商品案内やテレアポ、アンケートなどが含まれます。

収益につながる架電であることから、アウトバウンドのコールセンターでは短時間でサービスの魅力を伝えるマニュアルが必要です。

一般的にはトークスクリプトなどを用意している企業が多く、誰が見ても説明しやすくなっています。

 

コールセンターのマニュアルを作成する手順

コールセンターのマニュアルを作成する手順

コールセンターのマニュアルは、下記の手順で作成します。

顧客情報をもとにペルソナを設定

はじめに、対応対象となる顧客の属性や行動傾向を把握し、ペルソナを明確にします。

年齢層や職業、抱えている課題などをモデル化することで、顧客の期待や不満を可視化できます。

これにより、対応の方向性が統一され、トークスクリプトの最適化にもつながります。

属人的な判断に頼らない、再現性のある応対が実現できるでしょう。

 

能力が高いオペレーターのトークを使う

現場で成果を上げているオペレーターの対応内容には、品質向上のヒントが詰まっているものです。

録音記録やチャットログから優れた応対事例を抽出し、トークスクリプトの骨子とします。

実際の現場で評価された対応であれば、新人や代替要員でも高品質な応対が可能となります。

ベテランの知見を形式知化することで、教育負荷の軽減にも寄与します。

 

情報をもとにスクリプトやレイアウトを調整

収集したペルソナ情報やトーク事例をもとに、マニュアルの構成を整備します。

具体的には、会話の流れに沿ったフローチャートや、FAQ形式の早見表を挿入するのが有効です。

スクリプトや操作手順は、直感的に理解できるデザインとレイアウトで構成しましょう。

応対中でも即時参照できる形式にすることで、対応のスピードと正確性が向上します。

 

ロールプレイングでブラッシュアップする

完成したマニュアルは、そのまま現場投入せず、ロールプレイングで運用テストを行います。

複数のオペレーターによる模擬対応を実施し、理解度や使用感、改善点を洗い出しましょう。

現場の声を取り入れることで、実際の業務に即した内容へと進化させることが可能です。

定期的なフィードバックを通じて、マニュアルを“使われるもの”に育てていきましょう。

 

マニュアルに記載しておきたい項目

こちらでは、マニュアルへの記載を推奨する項目をご紹介します。

 

会社の基本情報

オペレーターが企業の一員として信頼ある応対を行うには、企業情報の把握が欠かせません。

マニュアルには、会社概要や事業内容、沿革、理念などを明記しておきましょう。

企業のビジョンや強みを共有することで、顧客に一貫性あるコミュニケーションが可能となります。

また、新人教育の初期段階における理解促進にも効果を発揮します。

 

商品やサービスの情報

商品やサービスに関する知識は、顧客からの質問対応の正確性を大きく左右します。

具体的には、商品の特徴、価格、仕様、使用方法、よくある問い合わせなどを網羅しましょう。

また、トラブル時の対応手順や関連部門への連携方法も併記しておくと現場対応がスムーズです。

このような記載があることで、顧客からの信頼を得やすくなります。

 

言葉遣い

コールセンターは非対面で応対する形式上、正しい言葉遣いが求められます。

たとえば、下記のように尊敬語・謙譲語・丁寧語の使い分けが重要です。

 

尊敬語

尊敬語は目上の人や相手を敬うときに使われる表現です。

一般的には、お客様の行動や関連する物事について伝えるときに用いられます。

 

謙譲語

謙譲語は自分が相手に対して、へりくだって表現する言葉遣いです。

自分がへりくだることによって、相手を立てることができます。

 

丁寧語

丁寧語は、相手に敬意を表現する際に使われる言葉遣いです。

丁寧な言葉遣いを使用することで、お客様が不快に感じなくなります。

 

トークスクリプト

トークスクリプトとは、電話対応の受け答えをまとめたもので、お客様の返答に誰でも柔軟に対応できるようになるものです。

フローチャートに沿って返答内容が示されているため、オペレーター全体のサービス品質の向上が期待できます。

トークスクリプトを作成する際はお客様を想定した「ペルソナ」を用いることで、高品質なトークスクリプトの作成が可能です。

 

想定できる問い合わせ

お客様はいつ、どのような内容で連絡をしてくるかはわからないものですが、問い合わせ内容はいくつかのパターンに分けることができます。

そのため、それぞれの回答を用意しておくことで、誰でも迅速に返答できます。

お客様からの連絡内容には、下記のようなものが想定されます。

  • 会社について
  • 商品やサービスの基礎知識
  • 操作方法、使い方

 

マニュアルを上手に運用するポイント

マニュアルを上手に運用するポイント

マニュアルは作成後の運用が品質維持において、非常に重要な要素です。

現場で有効活用するためには、定期的な見直しと更新を行う必要があります。

業務内容やサービスが変更された際は、速やかに内容を反映させましょう。

また、責任者を明確にしておくことも重要です。

マニュアルの整備・更新・周知を担当する人物を設けることで、属人化を防げます。

さらに、オペレーターからのフィードバックを収集し、改善に活かす体制を整えるとよいでしょう。

マニュアルは育てるものと捉え、現場との対話を重ねながら最適化を進めることが重要です。

 

関連記事:コールセンターの電話対応メモ術|4つの重要な項目と効率的なコツ

 

おわりに

本記事では、コールセンターのマニュアルについて解説しました。

コールセンターにおけるマニュアルとは、コールセンターで発生する業務がまとめられている冊子やファイルになります。

業務効率の改善や教育コスト削減といった、さまざまな効果を得られます。

会社の基本情報や商品・サービスの特徴、言葉遣いといった情報を掲載しておくことで、対応がスムーズになります。

マニュアルを作成し、継続的な改善を繰り返して、オペレーションの最適化を図りましょう。

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タグ : BPO コールセンター 業務委託 業務改善
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