放棄呼とは?発生原因とリスク、効果的な対策を解説
コールセンターに架電する顧客のなかには、オペレーターにつながる前に電話を切ってしまう人がいます。
問題やトラブルがあるために架電をしているにも関わらず、長時間待たされることに不快を感じることが要因です。
コールセンターとしては、できるだけ多くの顧客対応をするために、受電したものについてはすべて対応しなければなりません。
本記事では、放棄呼とはどのようなものなのかについて、発生原因とリスク、効果的な対策とあわせて解説します。
放棄呼とは?
放棄呼(ほうきこ)とは、顧客がコールセンターに電話した際、オペレーターにつながる前に電話を切ることです。
コールセンターなど、電話を扱う部署で用いられる言葉であり、サービスレベルを把握するうえで欠かせない指標になります。
放棄呼率の計算と業界基準
放棄呼率とは、着信件数に対する放棄呼の割合を指すもので、下記の数式で算出します。
- 放棄呼率 = (放棄呼数 ÷ 着信件数)× 100
たとえば、着信件数が100件に対して放棄呼数が3件の場合、放棄呼率は3%となります。
参考ページ:当社コラムページ「コールセンターは目標設定が大切!KPIの例と併せて解説」
(https://ntn-bpo.jp/callcenter-kpi)
放棄呼が発生する要因
顧客満足度を向上させるためには、可能な限り放棄呼が発生しないように取り組む必要があります。
しかし、放棄呼は下記の要因で発生してしまいます。
オペレーター不足
オペレーターが不足しているときに多くの受電が入ってしまうと、どうしても対応ができない電話が発生します。
問い合わせ数が電話回線数を上回ってしまうことが要因であり、対策はオペレーター数の増加になります。
対応効率の悪さ
オペレーターの1受電に対する処理時間が長くなるほど、対応効率は悪くなります。
ていねいな顧客対応はもちろん重要ですが、同時に対応効率の改善も重要な課題です。
顧客の感情
コールセンターに架電する顧客のなかには、電話越しに待たされることを苦痛に感じる人がいます。
すぐにつながらないときは電話を切ってしまい、その結果放棄呼数増加につながってしまうのです。
受電量
時間あたりの受電数が多くなると、先述したオペレーター不足につながる要因となります。
システムが切断することもありますが、その際には「またかけなおさないといけないのか」と余計なストレスをかけてしまいます。
放棄呼を放置するとどうなる?リスクと影響
コールセンターが放棄呼を放置することによって、下記のリスクが発生します。
- 顧客満足度の低下
- 機会損失の発生
- 企業・サービス・商品に対するイメージの低下
- オペレーターの負担増加
コールセンターは企業と顧客をつなぐ窓口となるため、真摯な対応が求められます。
しかし、放棄呼を放置することによって先述したようなリスクが発生してしまい、結果として企業の収益が下がりかねません。
そのため、取れなかった電話については、コールセンターからかけ直すなどの対応をしましょう。
効果的な放棄呼対策
放棄呼を減らし、顧客満足度を向上させるためには、下記の対策を実践しましょう。
- オペレーターの増員、適切な教育
- アウトソーシングの活用
- チャットボットの導入
- FAQの設置
これらを見てみると、効率良く受電数を減らしたり、人海戦術で対策したりすることが挙げられます。
優先順位として、チャットボットやFAQの設置など、まずお問い合わせの数を減らす対策をしましょう。
それでも受電数が減らない場合、オペレーターの増員や適切な教育、アウトソーシングの活用などを行います。
おわりに
本記事では、放棄呼について解説しました。
放棄呼(ほうきこ)とは、顧客がコールセンターに電話した際、オペレーターにつながる前に電話を切ることです。
オペレーター不足や対応効率の悪さ、顧客の感情、受電量など、さまざまな要因で放棄呼が発生します。
放棄呼対策としては、下記の方法が有効です。
- オペレーターの増員、適切な教育
- アウトソーシングの活用
- チャットボットの導入
- FAQの設置
顧客満足度を高め、サービス品質を向上させるためには放棄呼率を下げる努力をしましょう。